◎ギリシャの気温は他の西欧諸国に比べると低いが、それでも高温と乾燥で山火事のリスクが高まっている。
ギリシャの消防当局は23日、ビーチリゾートとして知られるレスボス島などで山火事が発生し、数百人が避難を余儀なくされたと発表した。
国営ラジオ・テレビ局ERTによると、レスボス島の火災は23日早朝に発生したという。当局は島の南に位置するリゾート地の住民に避難を呼びかけ、民家少なくとも1軒が全焼したと報告した。
レスボス島消防局の報道官は記者会見で、「火災発生地域の住民の携帯電話に避難指示情報を発信した」と述べた。ERTによると、避難指示は23日夕方時点で継続中。
消防局は現地に消防士50人と消防車17台、消防飛行機9機と消防ヘリ1機を送り、消火活動に当たっている。
レスボス島警察は23日午後、「2つのホテルと民家92軒から450人以上を避難させ、逃げ遅れた住民がいないか確認している」とツイートした。
ギリシャではアフリカ北部から流れ込む熱波による高温・乾燥状態が数週間続いており、少なくとも4カ所で山火事が発生している。
ERTによると、北東部のトルコ国境付近で発生した山火事が特に深刻で、国有林内のハゲタカ生息地や保護区域で延焼が続いているという。この地域の国有林は燃えやすい松の木で構成されている。
首都アテネの消防本部によると、国境付近の火災現場には消防士320人が派遣され、さらに伐採業者少なくとも200人が防火用スペースを作るために樹を切り倒しているという。
消防本部は西マケドニアの山岳地帯と南部ペロポネソス半島でも23日に山火事が派生したと報告している。
EUは今年、ギリシャの森林管理局に予算7200万ユーロを計上し、森林の維持と山火事を防止するための伐採を支援している。
ギリシャの気温は他の西欧諸国に比べると低いが、それでも高温と乾燥で山火事のリスクが高まっている。