◎欧州への亡命を希望する人々は先月24日、モロッコとメリリャの国境フェンスに突撃し、国境警備隊と衝突した。
2022年6月27日/モロッコのスペイン大使館前、メリリャの移民大量死に抗議する人々(Getty Images/AFP通信)

モロッコの裁判所は19日、同国からスペイン領メリリャに亡命を試みた移民33人に禁固11カ月の実刑判決を言い渡した。

メリリャはアフリカ大陸北西部に位置するスペインの都市で、1995年に自治権を与えられた。

人権団体は判決を非難し、亡命希望者たちは国際法が保障している権利を行使しただけと主張した。

欧州への亡命を希望する人々は先月24日、モロッコとメリリャの国境フェンスに突撃し、国境警備隊と衝突した。この衝突で亡命希望者23人が死亡、警備隊を含む数百人が負傷した。

モロッコ警察は力づくで国境フェンスを越えようとした亡命希望者を厳しく非難し、一部の保守勢力はこれを「移民によるテロ攻撃」と呼んだ。

裁判所は移民33人に「不服従」「公務員への暴力」「モロッコへの不法入国」で有罪判決を言い渡した。検察によると、33人は全員サハラ砂漠以南の出身で、大多数がスーダンとチャドの市民だという。

裁判所は33人にそれぞれ500ディルハム(約1万8000円)の罰金と、市民権請求の解決金として3500ディルハム(約13万円)を支払うよう命じた。

人権NGO「モロッコ人権協会(AMDH)」は判決を非難し、速やかに控訴するよう求めている。AMDHは数日中にこの事件に関する報告書を公表する予定。

先月の越境作戦では133人がメリリャに入国することに成功した。

メリリャのスペイン政府事務所は当時、約2000人が越境を試みたが、その多くが国境フェンス前で取り押さえられたと報告していた。

モロッコ内務省によると、犠牲者の大半が高さ6mのフェンス頂部付近から転落し死亡したという。

2022年6月24日/スペイン領メリリャとモロッコの国境、亡命を試みる人々と国境警備当局(Javier Bernardo/AP通信)
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