◎女性の権利保護を求める団体は同意のないセックスをレイプと定義するよう求めている。
スペインの上院は19日、性行為前に同意を義務付ける法案の文言を修正するよう野党が求めたため、レイプを抑制すると期待されている新法の施行は先延ばしとなった。
この法案は「イエスしか認めない(Only yes means yes)」と呼ばれ、まもなく成立する予定だったが、野党が前文の文言を修正するよう要求し、上院はそれを認めた。
報道によると、採決は数カ月遅れる可能性があるという。
サンチェス(Pedro Sanchez)政権が起草したこの法案は、サン・フェルミン闘牛場で2016年に発生した集団レイプ事件がルーツとなっている。
裁判所は集団レイプに関与した男5人に「性的虐待」で有罪判決を言い渡したが、被害者が当時、こん睡状態であったことと、レイプに異議を唱えたという被害者の主張には誤りがあるとして、集団レイプではないと裁定した。
人権団体はこの判決に異議を唱え、サンチェス首相に行動を促した。
法案は「沈黙は同意とはみなされず、性行為前にパートナーから明確な同意を求める必要がある」としている。
極右政党ボックス(VOX)などはこの法案に強く反対している。
サン・フェルミン闘牛場の事件は全国規模の抗議デモを引き起こした。女性の権利保護を求める団体は同意のないセックスをレイプと定義するよう求めている。
最高裁は下級審の判決を覆し、男5人に強姦罪で懲役15年の有罪判決を言い渡している。