◎ジャイアント・セコイアはカリフォルニア州のシエラネバダ山脈の限られたエリアに自生し、山火事とは無縁と考えられていた。
米カリフォルニア州当局は10日、ヨセミテ国立公園のジャイアント・セコイアを脅かしている山火事について、直近24時間で延焼エリアが2倍以上に拡大したと報告した。
消防当局によると、ヨセミテ国立公園の複雑な地形が消火活動を困難にしているという。
ジャイアント・セコイア500本以上が生育するマリポサグローブ(Mariposa Grove)は同園を代表するエリアのひとつである。専門家によると、このエリアの巨木の樹齢は3000年を超えるものもあるという。
ヨセミテ国立公園の広報担当は10日、「炎は延焼し続けている」と懸念を表明した。
消防当局によると、樹齢3000年以上と推定されている巨木が生育するエリアに炎は到達していないという。
消防士たちはエリア内に設置されているスプリンクラー・システムを確認しつつ、木の幹や周囲に水をまき、炎の侵攻に備えている。
広報担当は「散水で炎を抑えることができると期待している」と述べた。
消防は火元を調査している。公園に隣接する住居エリア、キャンプ場、ホテルには避難指示が出ており、AP通信によると、ホテルに滞在していた600~700人が避難を余儀なくされたという。
ジャイアント・セコイアはカリフォルニア州のシエラネバダ山脈の限られたエリアに自生し、山火事とは無縁と考えられていた。その樹高は90mをゆうに超え、樹齢4000年を超えるものもあるという。
しかし、過去の消火活動や気候変動による記録的な熱波、干ばつ、乾燥はジャイアント・セコイアにも確実にダメージを与えている。
同園は巨大な幹の一部を耐火ホイルで包んで保護している。
過去2年間の落雷による山火事により、この地域に自生する推定7万5000本のジャイアント・セコイアのおよそ5分の1が枯れたとみられる。
全米省庁合同火災センター(NIFC)によると、今年発生した山火事は3万5000件を超え、燃焼面積は1万9000㎢(新潟県面積の1.5倍)に達し、どちらも平年を大きく上回っているという。