◎両国の国境は1990年代に勃発したナゴルノ・カラバフをめぐる戦争を受け、1993年に閉鎖された。
ナゴルノ・カラバフ紛争(Getty Images)

トルコとアルメニアの両外務省は1日、両国の貨物便や市民の往来を約30年ぶりに許可した。

両国の国境は1990年代に勃発したナゴルノ・カラバフをめぐる戦争を受け、1993年に閉鎖された。

ナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャンの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

2020年に勃発したこの地域をめぐる紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷した。両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意した。

トルコ人とアゼルバイジャン人はチュルク語系民族であり、強い絆で結ばれている。

トルコ外務省は声明で、「両国は可能な限り早い時期に両国の市民の国境通過を許可することで合意した」と述べた。アルメニアも同様の声明を発表している。

またトルコ外務省は、「両政府はトルコ・アルメニア間の直接航空貨物輸送を開始することに合意し、そのために必要なプロセスを開始することで一致した」と述べている。

ロシアのインタファクス通信は政府筋の話を引用し、「両政府は完全な正常化という究極の目標を達成するために、他のステップについても議論した」と報じている。「両政府は前提条件なしに正常化プロセスを継続することで合意した...」

トルコとアルメニアは昨年12月に外交関係を正常化させ、国交正常化に向けた協議を加速させることで合意し、今年1月協議を開始した。

両国の特使は2月24日に第2回会合、5月3日に第3回会合を行っている。3月12日には両国の外相が直接会談し、問題について協議した。

今年2月には両国を結ぶ民間航空便の運航が再開された。

2020年9月27日/ナゴルノ・カラバフ、戦闘エリアから避難する住民(Getty Images/AFP通信/EPA通信)
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