◎全米ライフル協会はもっとも強力なロビー団体のひとつであり、共和党を強く支持している。
米国のトランプ(Donald Trump)前大統領は27日、テキサス州ヒューストンで始まった全米ライフル協会(NRA)年次総会に出席し、「ウクライナ支援より学校の安全確保にもっと予算をかけるべき」と訴えた。
NRAはもっとも強力なロビー団体のひとつであり、共和党を強く支持している。
トランプ氏は同州ユバルディ郡のロブ(Robb Elementary School)小学校で児童19人と教師2人が撃ち殺された3日後に演説した。
トランプ氏は共和党支持者に、「もっとできることがあるはずだ」と訴えた。「いいですか。米国はウクライナに何十億ドルも送っています。つまり、私たちは米国の子供の安全を守るために、もっとできることがあるということです」
またトランプ氏はイラクとアフガニスタンに何兆ドルも費やしたが、何も得られなかったと述べ、喝采を浴びた。「世界の他の地域に国家を建設する前に、もっとできることがあるはずです。米国はもっと安全な学校を建設すべきです」
米議会は今月初め、追加のウクライナ支援予算約400億ドルを賛成多数で可決した。これで米議会が承認したウクライナ関連予算は540億ドルに達した。
トランプ氏は銃規制を却下し、「まともな米国人は悪から身を守るために武装すべき」とする一方、学校に金属探知機などを導入すべきと提案した。「学校に武装警察官を配備してもいいでしょう。学校の安全性を上から下まで見直すのです。しかし、民主党は我々共和党の提案を妨害しています..」
トランプ氏は演説の冒頭、ロブ小学校の犠牲者の名前を読み上げた。
NRAの年次総会に反対するデモ隊は会場近くでシュプレヒコールを上げ、星条旗を掲げる銃愛好家に抗議した。
記念すべき年次総会に先立ち、テキサス州のアボット(Greg Abbott)知事、コーニン(John Cornyn)上院議員、ロブ小学校の事件で使用されたアサルトライフルの製造元、複数の保守系講演者、ミューシャンが参加を取りやめると発表した。
トランプ氏は「米国はメンタル面へのアプローチを大幅に見直す必要がある」と呼びかけた。
トランプ氏は在任中、メンタルヘルスを含む医療プログラムを廃止しようとし、批判された。
一方、テキサス州選出のクルーズ(Ted Cruz)上院議員は演説で、銃乱射事件の主な原因は「父親の不在」「毎週の対面礼拝の出席率低下」「ソーシャルメディア」「ビデオゲーム」と非難した。
NRAの会場周辺に集まった数百人のデモ隊は、「子供を殺すな」「銃でなく子供を守れ」「子供より銃が大切か」などと叫んでいた。