◎ウクライナと国境を接するポーランドは西側の支援拠点となり、300万人以上の避難民を受け入れている。
2022年5月22日/ウクライナ、首都キーウの大統領府、ゼレンスキー大統領とポーランドのドゥダ大統領(Efrem Lukatsky/AP通信)

ポーランドのドゥダ(Andrzej Duda)大統領は22日、ウクライナの首都キーウでゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領と会談し、ウクライナのEU加盟を全面的に支持すると表明した。

またドゥダ大統領は2月24日の開戦以来初めて、ウクライナ議会で演説した外国首脳となった。

ウクライナと国境を接するポーランドは西側の支援拠点となり、300万人以上の避難民を受け入れている。

ドゥダ大統領は議会演説の中で、「完全に独立した主権国家のウクライナで演説できることを光栄に思う」と述べ、喝采を浴びた。

またドゥダ大統領はプーチン(Vladimir Putin)大統領が提示した条件に従う必要はないと強調し、「いかなる理由があろうと力による現状変更は認めない」と述べた。

ドゥダ大統領は一部の国でプーチン大統領の要求を受け入れるべきという声が上がっていることに懸念を表明し、「ロシアを含む他国にウクライナの将来を決める権利はない」と語った。「ハッキリさせておきたい。ウクライナだけが自国の将来を決める権利を持っています。ウクライナの将来を決めるのはロシアでも他国でもない!」

ロシア軍は東部ドンバスや南部の港湾都市で攻勢を強めているとみられる。

ロシア軍は21日、ドネツク州マリウポリを完全制圧したと宣言し、黒海とアゾフ海に面する他の港湾都市やウクライナ軍の拠点にミサイルを撃ち込んだ。

ロシアは2014年に併合したクリミア半島とドンバスのテロ国家(ドネツクとルガンスク)を結ぶ陸上回廊の形成に向けた準備を進めている。マリウポリはクリミアとドネツク人民共和国の中間に位置する。

ウクライナ議会は22日、戒厳令と総動員令の期間を8月23日まで延長する決議を採択した。

ゼレンスキー大統領はウクライナのEU加盟をできるだけ早く承認するよう加盟27カ国に求めている。ウクライナの加盟候補入りは6月下旬のEUサミットで議論される予定。

フランス政府は加盟には長い時間がかかるとし、交渉期間を最大20年と予想している。

一方、ポーランド政府は戦争で荒廃したウクライナのEU加盟に躊躇している他の加盟国に積極的に働きかけ、交渉期間を短縮するよう呼びかけている。

ポーランドは300万人以上のウクライナ難民を受け入れ、欧米の人道支援や兵器供与の主要拠点になった。ウクライナ軍と共に戦う外国人の大半もポーランドからリビウに入り、現地入りしている。

ドゥダ大統領は議会演説の中で、ウクライナ支援と対ロシア制裁で西側諸国を団結させたバイデン(Joe Biden)大統領を称賛した。

バイデン大統領は21日、大統領専用機エアフォースワンの機内で約400億ドルのウクライナ支援法案に署名したと伝えられている。

ドゥダ大統領はEUを代表するポピュリストのひとりで、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領を支持し、2020年の大統領選でもトランプ氏を推すと明言していた。

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