◎抗争は首都キトの東約80kmに位置するサント・ドミンゴの刑務所で発生した。
エクアドル政府は9日、首都キトの郊外にある刑務所でギャング間抗争が発生し、少なくとも43人の受刑者が死亡したと発表した。
報道によると、抗争は首都キトの東約80kmに位置するサント・ドミンゴの刑務所で発生したという。
エクアドルの刑務所ではギャング間抗争が相次いでおり、政府は取り締まりを強化するために非常事態を宣言している。
地元警察は暴動中に脱走した受刑者112人を逮捕し、108人の行方を追っている。
負傷者は数十人と伝えられているが、詳細は分かっていない。
地元紙は警察責任者のコメントを引用し、「ある受刑者を刑務所に移送する際、乱闘が発生した」と報じている。この受刑者は今年4月に発生した別のギャング間抗争の首謀者のひとりとされる。
ラソ(Guillermo Lasso)大統領は犠牲者とその家族に哀悼の意を表した。
カリージョ(Patricio Carrillo)内相はツイッターに、「政府は刑務所の問題を克服するために取り組んでいるが、解決には時間がかかる」と投稿した。
2021年2月以降に発生した6件の暴動で死亡した受刑者は400人近くに達したと報告されている。
昨年9月に西部グアヤキルの刑務所で発生した乱闘では119人が殺害され、11月にも同じ刑務所で乱闘が発生し、少なくとも68人が死亡した。ギャングの攻撃は残忍で、一部の受刑者はバラバラに切り刻まれたと伝えられている。
政府は先月、西部の3州で60日間の非常事態を宣言した。今回抗争が発生した刑務所は宣言対象地域外である。
昨年5月に就任したラソ大統領は、中南米の麻薬カルテルがギャングの暴力を煽っていると指摘している。
エクアドルは隣国ペルーやコロンビアから密輸されるコカインの中継地であり、メキシコの強力な麻薬カルテルが地元のギャングを通じている活動しているとされる。
ラソ大統領は警察の権限を強化し、軽犯罪で有罪判決を受けた受刑者に恩赦を与えて刑務所の過密状態を解消すると約束したが、一部の専門家は「ラソ大統領はカルテルの暴力に圧倒されている」と指摘している