◎爆発は6日の現地時間午前11時過ぎに発生した。
2022年5月7日/キューバ、首都ハバナ、崩壊したサラトガ・ホテル(Ramon Espinosa/AP通信)

キューバ当局は7日、首都ハバナのサラトガ・ホテルで発生した爆発事故について、これまでに26人の死亡を確認し、80人が負傷したと発表した。

サラトガ・ホテルは歌手のマドンナ(Madonna)さんやビヨンセ(Beyonce)さんなどの著名人が宿泊したことで知られる5つ星ホテルで、改装工事中だった。

爆発は6日の現地時間午前11時過ぎに発生した。ホテルを所有する国営ガビオタ社によると、爆発はガスタンクの補充中に発生したという。

当局は7日の声明で子供4人と妊婦1人を含む26人の死亡を確認したと報告した。

スペインのサンチェス(Pedro Sánchez)首相は、「犠牲者の中にスペイン人旅行者が含まれている」とツイートした。

当局も観光客が巻き込まれたことを確認し、もう1人が負傷したと報告している。2人はホテルに滞在していなかったとされる。

ガビオタ社は7日の記者会見で、「爆発時、53人の労働者がホテル内にいた」と明らかにした。このうち11人が死亡、13人が行方不明、6人が入院した。

AP通信は当局者のコメントを引用し、「爆発の原因はまだ調査中だが、7日の早い時点で爆発したとされるガスタンクを回収した」と報じた。

一方、大統領府は現場で対応にあたった消防士と司令部の無線のやりとりを公開した。

消防士は「サラトガ・ホテルの側面部分が完全に吹き飛んでいる」と報告し、司令部に増援を要請した。また消防士は「すぐ横に学校があり、生徒を速やかに避難させる。周辺はパニック状態だ」と報告した。

ハバナ州知事によると、ホテルのすぐ裏にある学校の生徒少なくとも5人が軽傷を負ったという。

キューバの観光産業はコロナウイルスの感染拡大で大打撃を受け、今年初めにやや回復したものの、ウクライナ侵攻の影響でロシア人観光客が激減し、再び下火になった。

サラトガ・ホテルは約100m先にある議会議事堂を含むハバナ中心部の素晴らしい景色を眺めることができた。議事堂も爆発の衝撃でガラスが一部割れたと伝えられている。

同ホテルはキューバ共産党によるハバナ旧市街の復興の一環として2005年に改装された。

AP通信によると、ホテル周辺の多くの建造物が被害を受けたという。ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領は影響を受けた住民を安全な場所に移したと報告している。

メキシコのオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は7日にハバナを訪問する予定だったが、AP通信によると、日程を変更したという。

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