◎議会下院は憲法で保護されている先住民族の土地でのカリ鉱山、石油探査、水力発電ダム開発を認める法案を数日中に可決する予定と伝えられている。
ブラジルの宇宙機関は11日、今年1月と2月のアマゾンの森林減少面積が前の2カ月に続き過去最高を更新したと発表した。
国立宇宙研究所の森林破壊検出システム(DETER)が11日に公表したデータによると、先月のアマゾンの森林減少面積は199㎢(東京ドーム4,250個分)で、前年同月に比べると62%増加したという。
1月の減少面積は430㎢に達し、2カ月の合計は620㎢を超えた。これは東京23区とほぼ同じ面積である。
1月と2月は森林破壊が最も少ない月であり、南半球の夏の数ヶ月に焼失・消滅する面積とは比べ物にならない。
しかし、今年10月の大統領選挙で再選を目指すジャイール・ボルソナロ大統領は、伐採業者と採掘業者の支持を集めるためにアマゾン開発を促進する法案を準備しており、減少面積は今後数カ月でさらに増加すると懸念されている。
ボルソナロ大統領はアマゾンの開発加速を公言しており、進行中のロシア・ウクライナ戦争も開発を後押しする可能性が高い。
ブラジルは世界有数の食糧生産国兼、カリの最大の輸入国であり、農作物栽培の過程で多くの肥料を使っている。ブラジルが輸入している肥料の約4分の1はロシア産で、今回の戦争は肥料貿易にも影響を与える可能性が高く、アマゾンの熱帯雨林などに埋蔵されている大量のカリに注目が集まっている。
地元メディアが公表した初期の世論調査によると、ボルソナロ大統領はライバルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ元大統領を引き離している。
環境保護団体のネットワークであるクリメイト・オブザーバトリーのアストリーニ事務局長はAP通信の取材に対し、「議員たちは目先の利益にとらわれている」と語った。「森林を破壊している人々、そして森林破壊に有利な法案を承認する議員、彼らは大統領選挙と戦争を利用してアマゾンの開発を加速させようとしています...」
今週初め、何千人もの環境活動家やアーティストが非営利団体の呼びかけに応じ、先住民族の土地の保護と森林伐採に反対する集会に参加した。
議会下院は憲法で保護されている先住民族の土地でのカリ鉱山、石油探査、水力発電ダム開発を認める法案を数日中に可決する予定と伝えられている。
DETERのデータによると、2020年8月~2021年7月のアマゾンの森林減少面積は前年比22%増となり、15年ぶりの高水準に達したという。