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「アイスコーヒーで不採用?」就職面接のマナーを巡り若者と採用担当者が論争

今回の論争は些細なマナーが注目される一方、若者が厳しい雇用市場でどのように第一印象を形成し、評価を受けるべきかという問題も浮き彫りにしている。
アイスコーヒーのイメージ(Getty Images)

就職面接にアイスコーヒーを持ち込むことは、採用の成否に影響するのか。イギリスでこの素朴な疑問を巡る議論がSNSを中心に広がっている。発端となったのは、米国の採用担当者がTikTokに投稿した動画で、面接にアイスコーヒーを持参する若い求職者について「面接を一日の用事の一つとして扱っているように見える」と注意を促したことだった。この投稿は「2026年版・アイスコーヒー論争」と呼ばれるほど注目を集めた。

投稿者の米国人採用担当者はその後、コーヒーを持っていること自体を理由に候補者を悪いと判断しているわけではなく、面接中の気が散る要素を避けることが主眼だったと説明した。それでも、アイスコーヒーやアイス抹茶ラテを持って面接会場に入ることは、服装や言葉遣いと同様に、応募者の第一印象を左右するのではないかとの議論が続いている。

ロンドンのエネルギー会社で働く28歳の男性は、アイスコーヒーが好きだが面接には持っていかないと話す。面接は第一印象が重要で、アイスコーヒーは若年層向けで、場にそぐわず幼く見える可能性があるとの考えだ。一方、24歳の女性は、飲み物や服装ではなく、面接で何を伝えるかが重要だとして、従来の企業文化に根付いた固定観念から離れるべきだと話している。

28歳の女性はアイスコーヒーを持参しても問題ないと考えている。早く到着してコーヒーを買う時間があったことを示せるうえ、個性を出すことで他の応募者との差別化にもなるという。また25歳の女性は、自身は面接に持っていかないものの、アイスコーヒーを飲むのは女性が多いというイメージを背景に、今回の議論には性別による偏見が含まれているとの見方を示した。

背景には、若年層を取り巻く厳しい雇用環境もある。イギリスでは大学卒業者向けの求人が過去1年間でほぼ半減しており、企業がAIの導入やコスト上昇を背景に初級職を減らしている。16~24歳では、およそ8人に1人が教育、雇用、職業訓練のいずれにも参加していないとされ、米国でも若年層の就職環境は厳しくなっている。

ロンドンの人材会社幹部は、マーケティング業界の採用競争が厳しく、若い候補者が面接にアイスコーヒーを持ち込むことで不利益を受けるリスクを避けようとしていると説明する。一方、別の人材会社幹部は、採用担当者がアイスコーヒーや水、ノートといった一つの持ち物だけで判断すべきではなく、技能や経験、行動特性を見るべきだと指摘する。

専門家が若い求職者に求めているのは、飲み物よりも面接への準備である。時間に遅れないこと、応募先や仕事内容、面接官について調べておくことなどが重要で、アイスコーヒーを持っているかどうかは本来、採用判断の中心になる要素ではない。

今回の論争は些細なマナーが注目される一方、若者が厳しい雇用市場でどのように第一印象を形成し、評価を受けるべきかという問題も浮き彫りにしている。

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