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教皇レオ14世が赤道ギニアに到着、鉱物資源の「植民地化」を批判


教皇は資源の豊かさにもかかわらず、多くの国民が貧困状態に置かれている現実に言及し、富の偏在と社会的不平等の是正を訴えた。
2026年4月21日/赤道ギニア、首都マラボの国際空港、ローマ・カトリック教会の教皇レオ14世(AP通信)

アフリカ歴訪中のローマ教皇レオ14世(Pope Leo XIV)が21日、最終訪問地である赤道ギニアに到着し、演説で、アフリカの天然資源を巡る搾取構造を「鉱物の植民地化」と強く批判。石油や鉱物資源をめぐる国際的な競争が、貧困や紛争の一因となっている現状に懸念を示し、利益優先の経済構造に警鐘を鳴らした。

教皇は資源の豊かさにもかかわらず、多くの国民が貧困状態に置かれている現実に言及し、富の偏在と社会的不平等の是正を訴えた。特に石油依存が進む赤道ギニアでは、経済成長の恩恵が広く共有されていないと指摘されており、教皇はこうした構造が社会の分断を深めていると強調した。

今回の訪問はアルジェリアやカメルーン、アンゴラなどを巡る約10日間のアフリカ歴訪の締めくくりにあたる。教皇は各地で一貫して、資源の過剰な収奪や腐敗、権力の集中といった問題を取り上げ、より公正で持続可能な社会の必要性を訴えてきた。

赤道ギニアでは1979年から長期政権を維持するヌゲマ(Teodoro Obiang Nguema Mbasogo)大統領のもと、汚職や人権問題が国際的に指摘されている。教皇は名指しでの批判こそ避けたものの、「権力への欲望」を戒め、統治のあり方に倫理的な責任を求める姿勢を示した。

また教皇は資源をめぐる争いが地域の紛争を助長している可能性にも言及し、国際社会に対しても責任ある関与を求めた。そして石油や鉱物をめぐる利害が武力衝突の背景にあるとの認識を示し、人間の尊厳と平和を中心に据えた経済活動の必要性を強調した。

現地では教皇の訪問を歓迎する市民の姿が目立った。首都マラボでは沿道に多くの人々が集まり、40年以上ぶりとなる教皇来訪に歓喜の声を上げた。カトリック信徒が多数を占める同国にとって、今回の訪問は宗教的にも象徴的な意味を持つ出来事となっている。

教皇は今後、刑務所や被災地の訪問も予定しており、社会的弱者への連帯を示す姿勢を強調する見通しだ。今回の発言と行動は宗教指導者としてだけでなく、国際社会に対する道義的なメッセージとしても注目されている。

アフリカにおける資源開発と貧困、そして政治体制の問題は長年指摘されてきたが、教皇の発言はそれらを改めて国際的な話し合いのテーブルに乗せるものとなった。経済的利益と人間の尊厳のどちらを優先すべきかという問いが、今回の訪問を通じて改めて突き付けられている。

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