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ナイジェリア首都で大規模テロの恐れ、イスラム過激派が計画=報道


標的にはアブジャの国際空港や主要な刑務所施設、さらにナイジャ州の軍関連施設が含まれている。
アフリカ西部・ナイジェリア、北西部ザムファラ州郊外の集落、陸軍の兵士(Getty Images/AFP通信)

アフリカ西部・ナイジェリアで大規模なテロ攻撃の計画が浮上し、治安当局が厳戒態勢を敷いている。AP通信が15日に報じた。それによると、イスラム過激派が首都アブジャおよび隣接するナイジャ州で、空港や刑務所などの重要施設を標的とする同時攻撃を準備している可能性がある。

問題の文書は4月13日付で、税関当局内で共有されたものだ。それによると、標的にはアブジャの国際空港や主要な刑務所施設、さらにナイジャ州の軍関連施設が含まれている。攻撃の狙いは拘束されている過激派のメンバーを解放するとともに、航空インフラに打撃を与えることにあるとみられている。

計画に関与しているのは西アフリカ最大の過激派「ボコ・ハラム」とその分派である「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」の構成員。情報機関はこの組織の「スリーパーセル(潜伏要員)」が都市部で活動している可能性を警戒し、攻撃が実行されれば広範な被害につながる恐れがあると警告している。

ナイジェリアでは過去にも同様の襲撃が起きている。2022年にはアブジャ近郊の刑務所が武装集団に襲撃され、900人余りの受刑者が脱獄、その中には過激派のメンバーが多数含まれていた。今回の計画はこの事件を想起させるもので、当局は再発防止に向けて警戒を強めている。

こうした脅威を受け、治安部隊や空港当局は警備を大幅に強化した。具体的な対応策は明らかにされていないが、重要施設周辺では監視体制の強化や部隊の増派が進められているとみられる。一方、中央政府からの公式コメントは限定的で、脅威の深刻度については慎重な姿勢が保たれている。

この情勢を受けて米国政府はアブジャの在米国大使館に勤務する一部職員の退避を承認した。背景にはテロ活動や誘拐事件の増加など、ナイジェリア北部を中心とした治安悪化がある。ただしナイジェリア政府側は今回の対応について、一般的な予防対策に過ぎないとして、過度な懸念を打ち消そうとしている。

ナイジェリアでは長年にわたり、イスラム過激派によるテロや誘拐、地域紛争など複合的な治安問題が続いている。特に北部地域では軍や警察を標的とした攻撃に加え、学校や集落への襲撃が頻発し、国家の統治能力が問われている状況にある。

今回明らかになった攻撃計画はこうした不安定な治安環境の中で、過激派が依然として高い攻撃能力を維持していることを示唆するものだ。都市部の重要インフラを狙う動きは、単なる局地的衝突にとどまらず、国家機能そのものへの挑戦とも言える。

当局は警戒を続けているが、実際に計画が実行に移されるかは不透明である。しかし、過去の事例を踏まえれば、事前情報があっても完全な阻止は容易ではない。今回の対応はナイジェリアの治安対策の実効性を測る試金石となる可能性がある。

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