◎検察庁は1日、8月の抗議デモに参加した未成年者29人を含む76人を国家反逆罪、扇動罪、公務執行妨害、器物破損などの罪で起訴した。
アフリカ西部・ナイジェリアのティヌブ(Bola Tinubu)大統領が4日、国家反逆罪で起訴された14~17歳の未成年者29人を即時釈放するよう命じた。
大統領府の報道官は記者会見で、「ティヌブ大統領は29人の即時釈放と、今回の摘発に関与した法執行機関の捜査も関係閣僚に命じた」と明らかにした。
検察庁は1日、8月の抗議デモに参加した未成年者29人を含む76人を国家反逆罪、扇動罪、公務執行妨害、器物破損などの罪で起訴した。
国家反逆罪の法定刑には死刑が含まれている。
ティヌブ氏は昨年5月の就任初日にガソリン補助金を廃止。複数の為替レートを統一するなど、財政健全化を進めている。
その後も電気料金の補助金を廃止するなどした結果、ガソリン価格は2倍以上に、公共交通機関の運賃や日用品の価格も急騰した。
8月のデモは若者の雇用機会と業務体系の改善を求めるもので、治安部隊の取り締まりにより少なくとも20人が死亡、数百人が逮捕された。
未成年者29人のうち4人は先週テレビで生中継された罪状認否が始まる前に失神し、病院に搬送された。
地元メディアによると、76人は頬がこけ、やせ細っているように見えたという。
検察は76人が抗議デモという名の暴動で店舗を略奪したり、建物に火を放ったり、国家転覆を企てたと主張している。
裁判所は未成年者にそれぞれ1000万ナイラ(約92万円)の保釈金を設定したが、払えた者はひとりもいなかった。
地元メディアによると、検察は29人の保釈を認めるよう裁判所に求めるとみられる。
76人の初公判は来年1月に予定されている。