◎首都ラバトの議会議事堂前に集まった抗議者たちは政府に中低所得者層の生活を支援するよう求めた。
2022年2月20日/モロッコ、首都ラバトの大通り、インフレ対策を求める抗議デモ(Mosa'ab Elshamy/AP通信)

2月20日、モロッコの首都ラバトで生活必需品やガソリン価格の高騰に抗議するデモが行われ、数千人が政府に支援を求めた。

AP通信によると、デモは最大都市カサブランカやマラケシュなどでも開催されたという。

モロッコは世界的なエネルギー価格の高騰とそれに伴う国民の怒りに直面している国のひとつで、数十年にわたり高いインフレ率に悩まされている。

この日のデモは2011年のアラブの春に触発された「2.20運動」の11周年に合わせて行われた。

ラバトの議会議事堂前に集まった抗議者たちは政府に中低所得者層の生活を支援するよう求めた。

抗議会場周辺には警察が配備された。

他の都市でも数百人が市街地を行進し、貧困層の生活を改善するためには政府の介入が必要と訴えた。

政府の予算相は20日、国民の負担を軽減するために複数の施策を採用していると述べたが、進行中のインフレと燃料価格の高騰はそれを上回っていると認めた。

地元メディアによると、穀物や野菜の価格も高騰しており、この数カ月で1.5倍近く値上がりしたものもあるという。

政府は生活必需品の値上がりについて、「パンデミック後の景気回復と国際市場での穀物や石油製品の価格上昇が危機を後押ししている」と述べる一方、貧困層への支援を含む新たな対策を導入するかどうかについては言及していない。

モロッコは過去数十年で最悪の干ばつにも悩まされている。

王室によると、昨年の雨季の全国平均降雨量は例年より60%以上少なく、農作物に深刻な影響が出たという。

王室は以前の声明で、干ばつの影響を緩和するために100億ディルハム(約3,100億円)を割り当てると発表した。

エネルギー価格の高騰とそれに伴うインフレは世界中で発生しており、政府、企業、家庭に大きな負担を強いている。

一部の欧州諸国の光熱費は天然ガス価格の高騰で50%以上上昇したと報告されている。

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