マリ軍政トップがロシア大使と会談、大規模攻撃受け
ロシアはマリ軍政の主要な後ろ盾であり、旧宗主国フランスや国連部隊が撤退した後、安全保障面での協力関係を強めてきた。
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アフリカ西部・マリで4月25日に発生した大規模攻撃を受け、軍事政権トップが駐ロシア大使と会談し、政情不安が一段と深まっている。現地メディアによると、軍事政権を率いるゴイタ(Assimi Goita)大将は28日、首都バマコでロシアと会談したという。ゴイタ氏は一連の攻撃以降、初めて公の場に姿を現したものである。ロシア側はこの攻撃を「クーデター未遂」と位置付け、事態の重大性を強調した。
今回の攻撃は国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力「イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)」とトゥアレグ系分離主義勢力が連携して実行したとされ、ここ10数年で最大規模の同時多発攻撃となった。バマコの国際空港や近郊の軍事基地、北部の要衝キダルなど複数が標的となり、国家中枢と軍事拠点の双方が揺さぶられた。
攻撃では政府高官にも被害が及び、国防相が自宅への自爆攻撃により死亡した。軍や治安機関にとって象徴的存在の喪失は、政権の統治能力に対する打撃となった。
ロシアはマリ軍政の主要な後ろ盾であり、旧宗主国フランスや国連部隊が撤退した後、安全保障面での協力関係を強めてきた。ロシア国防省は同国の「アフリカ軍団」とマリ軍が共同で攻撃を撃退したと主張しつつ、約1万2000人規模の武装勢力が関与した可能性にも言及している。
一方で、北部の要衝キダルでは軍政側およびロシア側部隊が撤退を余儀なくされたとの情報もあり、戦況は依然として流動的である。分離主義勢力は同地の掌握を宣言し、領土支配をめぐる攻防が激化している。
また、今回の攻撃は思想的に異なる武装勢力同士が協力した点でも注目される。アルカイダ系組織と分離独立を掲げる勢力が共闘した背景には、マリ軍政とそのロシア支援に対抗するという共通の利害があるとみられる。これにより、従来以上に複雑で広範な安全保障上の脅威が形成されている。
バマコでは学校閉鎖や警戒強化が行われ、在米国大使館もテロの可能性を警告するなど、市民生活への影響も広がっている。しかし、軍政は被害の全容や死傷者数について詳細を明らかにしておらず、情報の不透明さが混乱に拍車をかけている。
今回の事態はマリ軍政の統治基盤の脆弱さを浮き彫りにするとともに、ロシアの対アフリカ戦略にも影響を及ぼす可能性がある。サヘル地域ではイスラム過激派の活動が拡大しており、国家の統治能力低下と相まって不安定化が進行している。
ゴイタ政権とロシアの連携が今後どこまで機能するか、また武装勢力の攻勢を抑え込めるかが焦点となる。今回の大規模攻撃はマリ情勢が新たな段階に入ったことを示すと同時に、西アフリカ全体の安全保障にも影響を及ぼす可能性が高い。
