◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
コンゴ民主共和国の地元当局は2日、東部地域に拠点を置くイスラム国(ISIS)系組織のひとつ「民主同盟軍(ADF)」が民間人9人を殺害したと発表した。
東部・北キブ州で活動する市民社会グループの代表はAP通信の取材に対し、「ADFのテロ攻撃は州郊外の集落で1日に発生し、少なくとも9人が処刑され、多くの民家が略奪に遭った」と語った。
それによると、女性や子供など不特定多数の市民が誘拐されたという。死者数は暫定値であり、増加する可能性がある。
ADFはウガンダで発足した反政府勢力。1990年代半ばからコンゴ東部に拠点を置き、民間人数千人を虐殺したと告発されている。
コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
武装勢力の活動目的は様々だが、その多くが土地や貴重な鉱物が採れる鉱山の支配権を争ったり、地元コミュニティを守るために戦っている。
国連によると、昨年4月以降、ADFの攻撃により民間人400人近くが死亡し、子供を含む数百人が誘拐されたという。ADFは活動地域を北キブ州の州都ゴマや北東部イトゥリ州に拡大したと伝えられている。
北キブ州の自治体職員は今週初め、民間人少なくとも17人がADFの戦闘員に虐殺されたと明らかにした。
米国務省は今年3月、ADFのリーダー、ムサ・バルク(Musa Baluku)の逮捕につながる情報に最大500万ドルの報奨金を出すと発表した。同省はバルクを2021年に「特別テロリスト」に、ADFをテロ組織に指定している。