◎サハラ砂漠以南の紛争地から逃れた数万人が毎年、アフリカ北西部のモーリタニア、モロッコ、アルジェリア、セルビアからスペインを目指し出港する。
スペイン領カナリア諸島沖、移民を乗せた船(Getty-Images)

アフリカ北西部・スペイン領カナリア諸島沖で移民を乗せたボートが救助活動中に転覆し、9人が死亡、少なくとも48人が行方不明になっている。スペイン当局が28日、明らかにした。

それによると、現場は同島沖約6.5キロの地点。巡視艇などによる救助活動中、多くの移民がボートの片側に寄ってしまい、ひっくり返ったという。

救助隊は27人を引き上げ、9人の死亡を確認した。

沿岸警備隊によると、救助活動は夜に行われ、現場では当時、強い風が吹いていたという。海軍、赤十字社、自治体のヘリも救助に参加した。

移民の国籍は明らかになっていない。

サハラ砂漠以南の紛争地から逃れた数万人が毎年、アフリカ北西部のモーリタニア、モロッコ、アルジェリア、セルビアからスペインを目指し出港する。

その大半がカナリア諸島を目指す一方、スペイン本土に渡ろうとする者も少なくない。このルートは世界でも最も危険な航路のひとつであり、毎年数千人が死亡または行方不明になっている。

今年、カナリア諸島に海路で到着した移民は2万6000人を超えている。その大半がモリータニアから出港したとみられる。昨年通年の到着者は過去最多の5万5618人であった。

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