◎ドイツに2万頭の野生の象を。ドイツのために2万頭の野生の象を。冗談ではありません。
アフリカゾウ(Getty Images/Wolfgang Kaehler/LightRocket)

アフリカ南部・ボツワナのマシシ(Mokgweetsi Masisi)大統領が狩猟品の輸入規制強化を求めるドイツ政府の提案に反発し、「2万頭のアフリカゾウをドイツに送ろう」と申し出た。

マシシ大統領は独誌ビルトのインタビューで、「ドイツに2万頭の野生の象を。ドイツのために2万頭の野生の象を。冗談ではありません」と語った。

またマシシ大統領はこう強調した。「ベルリンからボツワナの問題について意見を言うのはとても簡単なことです。私たちは世界のために、動物を保護するために最善を尽くしているのです...」

ショルツ(Olaf Scholz)首相の与党・社会民主党と連立を組む「緑の党」は今週、ボツワナでアフリカゾウの密猟が急増していることを受け、狩猟品(象牙)の輸入を規制するよう提案した。

ドイツは欧州最大の象牙輸入国である。

緑の党は象牙の需要が増えた結果、ボツワナを含むアフリカ諸国でゾウの密猟が急増していると指摘。その輸入を規制すれば密猟を減らすことができると提案した。

ボツワナ市民はこの提案を「とんでもない愚策」と呼び、軽蔑の目を向けている。

マシシ大統領はドイツ政府に対し、「あなたたちもゾウと一緒に生活してみるべきだ」と提案。ボツワナは野生動物を保護するために、世界のどの国よりも努力していると強調した。

国際NGO「SOSエレファント(SOS Elephants)」によると、ボツワナはアフリカゾウの最後の楽園であり、13万頭以上が生息しているという。

アフリカゾウの象牙は高値で取引され、密猟が横行。1970年代の生息数は130万~150万頭と推定されていたが、2016年には42万頭まで減少。この勢いで密猟が続けば、絶滅の恐れもある。

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