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TSMC26年第1四半期(1~3月)純利益50%増=アナリスト予測


アナリストの予測によると、純利益は約5400億台湾ドル(約2.7兆円)規模に達し、4四半期連続での最高益更新となる見込みである。
台湾積体電路製造(TSMC)のロゴ(ロイター通信)

半導体受託生産の世界最大手であるTSMC(台湾積体電路製造)が人工知能(AI)向け需要の急拡大を背景に、四半期利益で大幅な増益を記録する見通しとなった。市場予想では2026年第1四半期(1~3月)の純利益は前年同期比で約50%増加し、過去最高益を更新する可能性が高い。

アナリストの予測によると、純利益は約5400億台湾ドル(約2.7兆円)規模に達し、4四半期連続での最高益更新となる見込みである。売上高も前年同期比で30~35%増と大きく伸び、成長が加速していることを示すとみられる。

この好調の最大の要因はAI関連半導体に対する「飽くなき需要」である。生成AIやデータセンター向けの投資拡大により、高性能半導体の需要が急増、TSMCの最先端技術である3ナノメートル製造や先端パッケージングがフル稼働状態にある。特にエヌビディア(Nvidia)やアップルといった主要顧客からの受注が業績を押し上げている。

AI向け半導体需要は供給能力を上回る状況が続き、TSMCは事実上、世界のAIインフラ拡張を支える中核企業となっている。市場価値も急拡大し、時価総額は1.6兆ドルに達し、同業のサムスン電子(Samsung Electronics)を大きく引き離している。

こうした需要の強さを背景に、同社は積極的な設備投資を続けている。2026年の設備投資額は560億ドルに達する見通しで、米国での工場建設に約1650億ドルを投じる大型計画も進行中である。また、日本でも先端半導体の生産拠点拡充を計画し、供給能力の強化を急いでいる。

一方で、地政学リスクも無視できない。中東情勢の緊張は半導体製造に不可欠な資源供給に影響を与える可能性があるが、同社は供給網の多様化や備蓄によってリスクを管理できるとの見方が強い。

株式市場でもTSMCの存在感は際立っており、2026年に入って株価は大きく上昇し、AI関連銘柄の中核として投資資金を引き付けている。半導体はAIブームの基盤技術であり、同社の業績は世界経済やテクノロジー産業全体の先行指標ともみなされている。

今後の焦点は旺盛な需要に対してどこまで供給能力を拡大できるかにある。AI市場の拡大が続く限り、TSMCの成長基調は維持される可能性が高いものの、巨額投資に伴う負担や地政学的リスクへの対応も同時に問われることになる。第1四半期決算(16日予定)は、AI時代における半導体産業の構造変化を象徴するものといえる。

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