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フィリピン副大統領の弾劾裁判始まる、大統領との対立激化

サラ氏はドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte、勾留中)前大統領の長女で、2022大統領選でマルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領とタッグを組み、当選した。
2025年2月7日/フィリピン、首都マニラ、サラ・ドゥテルテ副大統領(ロイター通信)

フィリピンの議会上院が6日、サラ・ドゥテルテ(Sara Duterte)副大統領の弾劾裁判を開始した。副大統領に対する弾劾訴追案は同国史上初めてで、2028年大統領選挙の有力候補と目されるサラ氏の政治生命を左右する重要な局面となる。審議の行方は同氏が大統領選に立候補できるかどうかだけでなく、フィリピンの政治制度や司法への信頼にも大きな影響を与えるとみられている。

サラ氏はドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte、勾留中)前大統領の長女で、2022大統領選でマルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領とタッグを組み、当選した。しかし、その後は政権運営や外交政策を巡る対立から両陣営の関係は急速に悪化、二大政治一族による激しい権力闘争の様相を呈している。弾劾案はこの対立を決定づける政治的イベントとして国内外から注目を集めている。

その内容は公金の不正使用や説明のつかない資産の蓄積に加え、マルコス・ジュニア氏や大統領夫人、さらに前下院議長の生命を脅かしたとされる発言など多岐にわたる。検察は公職者としての責任を著しく損ない、憲法上の罷免事由に当たると主張している。一方、サラ氏は一連の疑惑を全面的に否定し、「政治的な迫害にすぎない」と反論している。弾劾は2028年大統領選への出馬を阻止することが狙いだとの立場を崩していない。

裁判では上院議員24人が裁判官役を務め、有罪には3分の2に当たる16票以上の賛成が必要である。ただ、上院内ではマルコス派とドゥテルテ派の勢力が拮抗しており、審理は証拠や証人尋問に加え、手続き上の争点も多く、数カ月に及ぶ可能性がある。2012年に行われた最高裁長官の弾劾裁判は約4カ月続いた。今回も長期化が予想されている。

政治学者らは最終的な有罪・無罪以上に、裁判が公正かつ透明に行われたと国民が受け止めるかどうかが重要だと指摘する。公平性が疑問視されれば、判決後も政治的対立が尾を引き、国家統治への信頼低下につながる恐れがある。一方で、公正な手続きの下で無罪となれば、サラ氏の支持基盤が一層強化される可能性もある。2028大統領選を見据えた政界再編が進む中、今回の弾劾裁判はフィリピン政治の今後を占う最大の政治イベントとして国内外の注目を集めている。

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