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香港2026年第1四半期GDP+5.9%、約5年ぶりの伸び率

今回の成長は外需とサービス需要の回復が大きく寄与したとされる。
香港の概観(Getty Images)

香港経済が力強い回復を示している。5月5日に発表された速報値によると、第1四半期(1〜3月)のGDPは前年同期比5.9%増となり、約5年ぶりの高い伸びを記録した。これは2021年第2四半期以来の高成長であり、前期(2025年第4四半期)の4.0%から大きく加速した。

今回の成長は外需とサービス需要の回復が大きく寄与したとされる。特に人工知能(AI)関連製品や電子機器への世界的な需要拡大が輸出を押し上げ、財輸出は23%を超える大幅な伸びを記録した。また輸入も約30%増と拡大し、貿易活動全体の活発化が確認された。さらに、観光客の増加や金融取引の活性化も経済を支える要因となっている。

内需面でも回復の動きが見られる。個人消費は前年同期比で5.0%増加し、前期を上回った。観光の回復やイベント需要の増加が消費を刺激したとみられる。季節調整済みの前期比でもGDPは2.9%増と、前四半期の1.0%から大きく加速しており、勢いの強さがうかがえる。

香港政府はこうした背景について、AI技術の急速な発展が世界的な電子機器需要を押し上げ、地政学的リスクによる影響を一定程度相殺していると分析している。陳茂波(Paul Chan Mo-po)財政長官は技術革新が経済の下支えになっている点を強調し、今後もAI分野の応用拡大や人材育成を進める方針を示した。

一方で、先行きには不透明要因も残る。政府は2026年通年の成長率を2.5〜3.5%と見込み、第1四半期の高成長がそのまま持続するとは想定していない。中東情勢などの地政学的緊張や世界経済の変動が下振れリスクとして指摘されているほか、外需依存の構造も依然として課題となっている。

香港経済はコロナ禍後の回復局面に入り、2025年も3.5%の成長を達成するなど持ち直しを続け、今回の結果はその流れをさらに加速させるものとなった。ただし、過去数年は観光や消費の弱さ、外部環境の影響を受けやすい体質が指摘され、安定的な成長には構造的な強化が求められている。

今回の高成長は輸出主導とサービス回復が同時に進んだ結果であり、香港経済の回復力を示す一方で、その持続性にはなお課題が残る。政府が掲げる技術革新や産業多角化がどこまで進むかが、今後の成長の鍵を握る。

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