ベネズエラ前大統領、拷問疑惑を全面否定、米NY裁判所で無罪主張
起訴状によると、マドゥロは2013年の大統領就任以降、数十人の被害者に対する拷問を伴う弾圧体制を監督したとされる。
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ベネズエラのマドゥロ(Nicolas Maduro)前大統領は15日、米ニューヨーク州の連邦裁判所に出廷し、自身と妻フロレス(Cilia Flores)夫人が国家主導の拷問に関与したとする新たな起訴内容について、「虚偽の告発」と否定した。麻薬密売を巡る訴追に加え、政権による組織的な弾圧への関与が問われている。
起訴状によると、マドゥロは2013年の大統領就任以降、数十人の被害者に対する拷問を伴う弾圧体制を監督したとされる。被害者には米国人3人も含まれ、殴打や電気ショックなどの手法が使われたと検察側は主張している。
マドゥロは拷問方法を自ら提案し、特定の被害者への扱いについて報告を受けていたほか、拘束者の子どもを殺害すると脅して心理的な苦痛を与えた疑いも持たれている。
起訴状はフロレスについても、弾圧体制の構築に関与し、特定の人物への拷問を命じたと指摘した。AP通信によると、夫妻は足首に手錠をかけられた状態で出廷した。マドゥロは裁判官から答弁を求められても、告発への非難を繰り返したという。フロレスも「私は完全に無実だ」と述べた。
夫妻は今年1月、米軍による首都カラカスでの軍事作戦で拘束され、ニューヨークに移送された。麻薬密売を巡る裁判でも無罪を主張しており、弁護側は外国の国家元首らに認められる免責を理由に、即時釈放を求めている。
裁判は当初の予定から約2週間延期され、2027年6月14日に始まることになった。弁護側は、新たな疑惑が加わったことで準備に時間が必要だと指摘している。次回の公判前審理は12月17日に予定されている。
拷問は国際法上の犯罪であり、被害者の国籍や犯罪が行われた場所にかかわらず、国外で訴追される場合もある。ただし、米国で外国の高官を拷問容疑で裁く例は極めて少ない。マドゥロは国際刑事裁判所(ICC)でも「人道に対する罪」で捜査対象となっており、今回の裁判はマドゥロ政権下での人権侵害疑惑を問う重要な法廷闘争となる。
