イエメン第3の都市タイズ、フーシ派包囲で人道危機深刻化、住民ら学校などに避難
タイズは2014年に始まったイエメン内戦の初期から前線となってきた。
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イエメン第3の都市タイズで、親イラン武装組織フーシ派が包囲網を狭め、住民の避難と人道危機が深刻化している。フーシ派が南部アデンへ通じる主要道路を遮断したことで、食料や燃料、医薬品の供給が滞り、市内では物価上昇や衛生環境の悪化が進んでいる。
ロイター通信によると、42歳の住民アリ・ハッサン(Ali Hassan)さんは、家族とともに学校の階段下に身を寄せている。サウジアラビアが支援する政府軍とフーシ派の戦闘が激化し、これまでに何度も避難を余儀なくされたという。
ハッサンさんはロイターの取材に対し、2021年にフーシ派の狙撃兵に撃たれて片手が麻痺したと語った。さらに、約1カ月前には羊の放牧中だった姉も狙撃され、脊椎を負傷して重い障害が残ったという。
別の住民ワティク・マユーブ(Wathiq Mayoub)さんは、生活必需品の価格が上昇し、燃料が不足する一方、道路にはごみが積み上がっていると訴えた。フーシ派が通行路の再開を拒んでいるため、ごみの搬出さえ困難になっているという。
タイズは2014年に始まったイエメン内戦の初期から前線となってきた。現在は南部高地に残る反フーシ派勢力の最後の主要都市拠点であり、陥落すれば戦局を変える可能性がある。2022年に成立した停戦は約4年間維持されたが、今年に入り戦闘が再燃。政府軍は先週、フーシ派支配地域の奪還作戦を開始し、重要な海上輸送路であるバブ・エル・マンデブ海峡周辺で一部地域を取り戻した。
今回の戦闘では、国内避難民の増加も深刻だ。国連の専門機関である国際移住機関(IOM)によると、直近の戦闘で避難した人は全国で23万3000人に達し、そのうち12万1500人がタイズに集中している。避難民を受け入れるための設備が整ったキャンプは不足しており、未完成の建物や店舗、居住に適さない施設で暮らす家族もいる。
世界保健機関(WHO)によると、タイズの12病院では燃料備蓄が数日分しかなく、酸素や医薬品も不足している。戦闘が市街地に迫る中、道路封鎖によって医療物資の補給も妨げられている。
フーシ派が包囲をさらに強めれば、約60万人が暮らすタイズで食料不足や医療崩壊が一段と進む恐れがあり、停戦や支援物資の搬入に向けた対応が急務となっている。
