ブラジル上院、週労働時間の短縮を承認、決選投票前にルラ大統領へ追い風
10月25日に予定される大統領選決選投票を前に、再選を目指すルラ氏にとって有利な政治的展開となった。
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ブラジルの議会上院は14日、週当たりの法定労働時間の上限を現行の44時間から40時間に短縮する憲法改正案を賛成多数で可決した。賃金を引き下げずに労働時間を減らす内容で、ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領が推進してきた労働改革の大きな成果となった。10月25日に予定される大統領選決選投票を前に、再選を目指すルラ氏にとって有利な政治的展開となった。
改正案は上院の2回の採決で、いずれも賛成75ー反対1で可決された。上院の定数は81議席で、与党だけでなく野党側からも幅広い支持を集めた。下院では5月に承認されており、公布などの手続きを経て施行される見通しだ。政府は制度変更によって3700万人以上の正規労働者が恩恵を受けると推計している。
今回の改革は、週6日勤務を基本とする働き方を見直し、労働者の休息時間を増やすことを目的とする。小売業やサービス業などでは、週6日働く勤務形態が広く採用されてきた。労働時間の短縮によって、労働者が家族と過ごす時間や休養の時間を確保し、生活の質を向上させる効果が期待される。制度は約14カ月かけて段階的に導入される計画だ。
ルラ氏は改正案の成立を歓迎し、労働者の権利と生活環境を改善する歴史的な成果だと強調した。同氏は生活費対策や社会保障の拡充なども打ち出しており、労働改革を選挙戦の主要な実績としてアピールしている。
一方、対立候補のフラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員も今回の採決では賛成票を投じた。同氏は当初、改革に反対していたが、世論の支持が強いことを背景に態度を転換した。労働時間短縮への賛成が広がる中、反対を続ければ選挙で不利になるとの判断が働いた可能性がある。
ただし、経済界からは労働時間の短縮によって企業の人件費が増加し、生産性や国際競争力が低下するとの懸念も出ている。また、非正規雇用やインフォーマル部門の労働者には、改革の恩恵が届きにくいという課題も残る。
決選投票では、経済政策や社会保障、雇用環境などをめぐり両候補が支持を争う。労働改革の成立はルラ氏にとって重要な成果となったが、これが得票にどこまで結び付くかは不透明だ。新制度の実施に向けては、企業への影響を抑えながら労働者の待遇改善を実現できるかが焦点となる。
