米ワーナー買収計画、州政府が差し止め求め提訴へ
買収計画は今年2月に発表されたもので、実現すればハリウッドを代表する大手スタジオ2社が統合されることになる。
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米メディア大手パラマウント・スカイダンスによるによるワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の約1100億ドル規模の買収計画を巡り、米国の複数州が来週にも買収差し止めを求めて提訴する可能性が高まった。ロイター通信が8日に報じた。
これはカリフォルニア州のロブ・ボンタ(Rob Bonta)司法長官が主導し、ニューヨークなど複数の州が訴訟に加わる見通しである。州当局はこの大型再編が映画・テレビ業界の競争を著しく損ない、消費者やクリエーター、劇場運営事業者に不利益をもたらすと懸念している。
買収計画は今年2月に発表されたもので、実現すればハリウッドを代表する大手スタジオ2社が統合されることになる。新会社は映画制作やテレビ番組、動画配信サービスを幅広く手掛ける世界有数のメディア企業となり、業界再編を象徴する案件として注目されてきた。一方で、制作会社や映画館関係者、クリエーター団体からは、作品の制作機会や雇用の減少、コンテンツの多様性の低下につながるとの懸念が相次いで表明されている。
州当局はトランプ政権下で連邦政府の反トラスト審査が比較的企業寄りになっているとの認識から、州レベルで競争政策を主導する姿勢を鮮明にしている。司法省は先月、この買収が動画配信やテレビ市場の競争を大きく阻害する可能性は低いとして承認したが、州側は独自の調査を継続しており、連邦政府とは異なる判断を示す構えである。州による提訴は、近年の大型企業買収に対する州政府の積極的な関与を象徴する事例となる可能性がある。
一方、オレゴン州は買収審査に必要な資料が十分提出されていないとして、裁判所に対し買収手続きの60日間延期を求めた。同州はパラマウントが規制当局への対応やロビー活動に関する重要文書を提出していないと主張しており、買収審査の透明性にも疑問を投げ掛けている。これを受け、パラマウントは当初予定していた7月中旬の買収完了を見送り、少なくとも7月22日以降に延期すると表明した。
パラマウント側は、「統合は市場競争を促進し、ネットフリックスやディズニーなど巨大配信事業者に対抗するために不可欠だ」と反論している。また、統合後は年間30本程度の劇場公開作品を制作する計画を示し、映画産業への投資を維持・拡大する方針を強調している。しかし、買収契約には完了が遅れた場合、四半期ごとに約6億5000万ドルを支払う条項が盛り込まれており、訴訟が長期化すれば企業側の負担は一段と増す見通しである。
州当局が来週にも提訴に踏み切れば、買収差し止めを求める仮処分申請が行われるとみられ、世界のメディア業界を左右する大型再編は大幅な遅延を余儀なくされる公算が大きい。反トラスト政策を巡る連邦政府と州政府の姿勢の違いが鮮明となる中、今回の訴訟は米国の企業審査の在り方にも大きな影響を与えるとみられている。
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