米国の住宅市場、価格上昇と販売減少が同時進行する異例の状況に 2026年6月
全米不動産協会(NAR)が9日に公表したデータによると、2026年6月の中古住宅の中央販売価格は前年同月比で1.8%上昇し、44万600ドルとなった。
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米国の住宅市場で、価格上昇と販売減少が同時に進む異例の状況が続いている。住宅価格は過去最高水準に達した一方、高い住宅ローン金利が購入希望者の負担を押し上げ、販売数は低迷している。市場では「価格は上がっているが、買える人が減っている」という構造的な問題が鮮明になっている。
全米不動産協会(NAR)が9日に公表したデータによると、2026年6月の中古住宅の中央販売価格は前年同月比で1.8%上昇し、44万600ドルとなった。これは統計開始以来の最高値であり、住宅価格は36カ月連続で前年水準を上回っている。住宅所有者にとっては資産価値の増加を意味するが、初めて住宅を購入する層にとっては取得のハードルがさらに高まっている。
一方、中古住宅販売件数は減少した。6月の販売戸数は季節調整済み年率換算で409万戸となり、前月比で2.4%減少した。市場予想を下回る結果で、歴史的な平均水準とされる約520万戸を大きく下回っている。高価格と高金利によって、多くの購入希望者が市場から撤退していることが背景にある。
住宅購入を難しくしている最大の要因の一つが住宅ローン金利である。30年固定型住宅ローン金利は6%台半ばで推移しており、購入者の毎月の返済負担を押し上げている。過去の低金利時代に住宅を購入した所有者の多くは、低い金利条件を維持するため売却を控えており、市場に出回る住宅数の不足にもつながっている。
供給不足も価格高止まりの原因となっている。6月時点の売り出し中の中古住宅は約156万戸で、前年より改善しているものの、健全な市場バランスとされる水準には届いていない。特に手頃な価格帯の住宅不足が深刻で、若年層や初回購入者ほど住宅取得が困難になっている。
現在の米住宅市場は、住宅を所有する人と購入を希望する人の格差が拡大する「二極化」の様相を呈している。既存の住宅所有者は価格上昇による資産増加の恩恵を受ける一方、新規購入者は高価格と高金利という二重の負担に直面している。
今後、住宅市場が正常化するには、住宅ローン金利の低下や住宅供給の増加が不可欠となる。ただし、インフレや金融政策への不透明感が残る中、金利低下が急速に進む可能性は限定的である。米住宅市場は価格上昇を維持しながらも取引が細るという、過去とは異なる局面に入っている。
