SHARE:

NATO事務総長「サミットで同盟の結束確認した」トランプ氏への批判相次ぐ

今回のサミットではトランプ氏が冒頭からスペインなど一部加盟国の防衛費負担やイラン政策への対応を厳しく批判したほか、過去にも主張してきたデンマーク領グリーンランドを巡る問題にも言及し、加盟国との間で緊張が高まった。
2026年7月8日/トルコ、首都アンカラ、トランプ米大統領(左)とNATOのルッテ事務総長(ロイター通信)

北大西洋条約機構(NATO)のルッテ(Mark Rutte)事務総長は8日、トルコ・アンカラで開催されたNATOサミットを総括し、トランプ(Donald Trump)大統領と欧州首脳との間で意見対立があったものの、最終的には同盟の結束が確認されたとの認識を示した。

ルッテ氏はロイター通信のインタビューで、「同盟国は時に口論することもあるが、その後に再び結束する。それが民主主義の強さだ」と述べ、ロシアに対してNATOの結束力を示す結果になったとの考えを示した。

今回のサミットではトランプ氏が冒頭からスペインなど一部加盟国の防衛費負担やイラン政策への対応を厳しく批判したほか、過去にも主張してきたデンマーク領グリーンランドを巡る問題にも言及し、加盟国との間で緊張が高まった。

一部の欧州首脳からは米国の同盟への関与を不安視する声も上がったが、非公開協議を経て各国は歩み寄り、トランプ氏自身も記者会見で「非常に大きな団結がある」と述べ、NATOへの支持を改めて表明した。

ルッテ氏は加盟国間で意見が対立すること自体は民主主義国家の特徴であり、最終的に共通の目的に向けて合意できる点こそが権威主義国家との違いだと強調した。また「ロシア、中国、イランのような国々では、このような率直な議論は見られない」と述べ、公開の場で議論を重ねながらも最終的に一致点を見いだすことがNATOの強みだと説明した。さらに、ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領に対しても、今回のサミットはNATOの結束と抑止力を示す重要な機会になったとの認識を示した。

一方、ルッテ氏は自身がトランプ氏に対して融和的すぎるとの批判について反論した。トランプ氏を過度に持ち上げているとの指摘に対しては、「必要な場面では率直に意見を伝えており、同盟全体の結束を維持することが事務総長として最も重要な役割だ」と説明した。その上で、個人的な評価ではなく、加盟32カ国の合意形成を優先して行動していると強調した。

ロシアによるウクライナ侵攻以降、NATO加盟国は防衛費を大幅に増額し、対ロシア抑止力の強化を進めている。今回のサミットでも集団防衛体制の維持やウクライナ支援の継続が改めて確認され、同盟の結束を内外に示す場となった。一方で、加盟国間には防衛費や中東政策などを巡る温度差も残っており、今後もトランプ政権と欧州諸国との関係をどのように調整していくかがNATO運営の課題となりそうだ。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします