◎一部の地元メディアは先月、エルカン総裁の両親が金融機関内で不当な影響力を行使し、行員を解雇したと報じた。
トルコ、イスタンブールの通り(Getty Images)

トルコ中央銀行の総裁が不適切な権力行使と業務に家族が干渉したという疑惑の中、辞意を表明した。

昨年6月に就任したエルカン(Hafize Gaye Erkan)総裁は2日遅くにX(旧ツイッター)を更新。「家族へのさらなる攻撃を防ぐために辞任することを決めた」と書き込んだ。

またエルカン氏は一連の疑惑を否定。「家族と人格を攻撃された」と嘆いた。

一部の地元メディアは先月、エルカン氏の両親が金融機関内で不当な影響力を行使し、行員を解雇したと報じた。

エルカン氏はこの疑惑を否定。エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領もエルカン氏への支持を表明し、独立系メディアの報道を「嘘っぱち」と一蹴していた。

しかし、大手新聞社を含む多くのメディアが関係者の証言などを報じ、エルカン氏の疑惑を追及。さらにエルドアン氏が独立系メディアを弾圧しようとしていると糾弾した。

中銀の主要政策金利は昨年、8.5%から42.5%まで引き上げられた。

エルドアン氏は高い借入コストを「敵」と呼び、「インフレを解消するためには金利を引き下げなければならない」と長年主張。利下げ政策に抵抗する中銀総裁を解任してきた。

しかし、昨年6月に就任したエルカン氏はエルドアン氏の手法を否定し、利上げを強行。エルドアン氏もこれを受け入れていた。

エルカン氏の後任には前副総裁が就任する予定だ。

スポンサーリンク