◎現地メディアによると、首都ベイルートを含むほぼ全ての地域で発生した停電は丸1日続いたという。
2021年8月11日/レバノン、首都ベイルート南部の散髪屋(Hassan Ammar/AP通信)

10月10日、レバノンの全土で発生した停電は発電所の再稼働に伴い、ほぼ復旧した。

現地メディアによると、首都ベイルートを含むほぼ全ての地域で発生した停電は丸1日続いたという。

エネルギー省は10日の声明で、国営電力会社の発電所の稼働に必要な燃料約1億ドル(110億円)は中央銀行が立て替えたと述べた。

国営電力会社が管理する2つの主要な発電所は燃料不足の影響で9日に停止し、広範なブラックアウトを引き起こした。

レバノンは深刻な燃料不足、電力危機、そして過去150年で世界最悪と呼ばれている致命的なインフレに悩まされており、不安定な電力供給の影響で病院や主要なインフラは停止を余儀なくされ、国民の生活に深刻な影響を与えている。

危機の影響で人口が約4分の3が貧困層になり、政治家に対する大規模な抗議デモを引き起こした。

レバノンの外貨は枯渇しかけており、石油輸出国や他国の電力会社に対する支払いは困難になっている。

国営電力会社は10日の声明で、停電以前の供給量に戻ったと述べた。

しかし、停電前の供給体制でも1日の計画停電時間は平均20~22時間に上っていたため、不自由な生活が続くことに変わりはない。

一部の裕福な国民はディーゼル発電機を使うことができるが、燃料不足の影響でディーゼルの価格が高騰しており、大多数の貧困層はロウソクを灯して生活している。

一方、ヨルダンのアブドゥッラー2世国王は10日、首都アンマンでレバノンのナジブ・ミカティ首相と会談し、「レバノンの国民に支援を提供する」と約束した。

ヨルダンは6日にシリアを通じてレバノンに電力を供給することに合意し、現在作業が進められている。エジプトはヨルダンとシリアを通じてレバノンに天然ガスを供給することに合意した。

アブドゥッラー2世は会談後の記者会見で、「ヨルダンはレバノンの横に立っている」と述べたが、協議の詳細は明らかにしなかった。地元メディアによると、両首脳は中東地域の安全保障などについて話し合ったという。

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