◎当局は事故原因を究明し、速やかに公表するとしている。
2022年6月8日/イラン、中部タバス近郊、脱線した車両(Iranian Red Crescent Society/AP通信)

イラン当局は8日、中部タバス近郊で旅客列車とショベルカーが接触し、少なくとも22人が死亡、87人が負傷したと発表した。

国営イラン通信(IRNA)によると、列車は11両編成で、8日の現地時間午前5時半頃にショベルカーに接触し、5両が脱線したという。

国営鉄道会社は8日、列車はタバスから中部の古都ヤズドに向かう途中、ショベルカーに接触したと説明した。IRNAによると、事故当時の乗客は348人。

タバスは南ホラサン州に位置し、首都テヘランから900kmほど離れている。

IRNAが報じた映像には、荒廃した土地のど真ん中で脱線した車両と救助隊が映っていた。当局はショベルカーが線路に進入した理由を明らかにしていない。

IRNAの取材に応じた男性は「脱線した車両の乗客はボールのように跳ねた」と説明した。

IRNAによると、当局は現地に救急車とヘリコプターを派遣し、負傷者を近隣の病院に搬送したとう。数十人が重傷と伝えられており、犠牲者はさらに増える可能性がある。

IRNAはタバスの医療機関と思われる映像も公開した。負傷者のひとりはインタビューの中で、「脱線する直前、急ブレーキがかかったように感じた」と説明した。

当局は事故原因を究明し、速やかに公表するとしている。AP通信は当局者の情報を引用し、「ショベルカーはこの地域の開発工事に使用されていた可能性がある」と報じている。

ライシ(Ebrahim Raisi)大統領は8日、犠牲者に哀悼の意を表し、原因を究明すると述べた。

IRNAによると、当局は8日遅くに事故を引き起こしたとされる6人を逮捕するよう命じた。6人がどのように事故に関与したかは明らかにされていない。

イラン史上最悪の鉄道事故は2004年に発生した衝突事故で、ガソリン、肥料、硫黄、綿花を積んだ暴走列車が北東部ネイシャーブル近郊で別の車両に衝突し、少なくとも320人が死亡、450人以上が負傷。5つの村に被害が出た。

2016年に北部で発生した衝突事故では少なくとも43人が死亡、約100人が負傷した。

2022年6月8日/イラン、中部タバス近郊、脱線した車両(Iranian Red Crescent Society/AP通信)
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