東南アジアで煙害深刻化、インドネシアの森林火災が拡大、スーパー・エルニーニョで乾燥、呼吸器疾患28万人超
煙害の主な発生源は、森林や泥炭地で燃え続ける火災だ。
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東南アジア各地で煙害が深刻化している。インドネシアのスマトラ島やボルネオ島を中心に森林火災や泥炭地火災が数カ月にわたって続き、煙がマレーシアやシンガポールなど周辺国にも広がっている。背景には、極端な高温と乾燥をもたらす「スーパー・エルニーニョ」の影響があり、健康被害や航空交通への影響が拡大している。
煙害の主な発生源は、森林や泥炭地で燃え続ける火災だ。泥炭地は植物由来の有機物が堆積した土地で、乾燥すると燃えやすくなる。地中で燃焼が長期間続くこともあり、消火が難しい。通常、インドネシアの乾季は4月から10月にかけて続くが、今年はエルニーニョ現象に伴う高温と雨不足によって火災が拡大している。
AP通信によると、今年1~8月に火災で被害を受けた土地は63万7000ヘクタール(6370平方キロ)を超えた。一部の団体は焼失面積を約90万ヘクタール(9000平方キロ)と推計する。欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービス(C3S)に関連するデータでは、インドネシアの火災による温室効果ガスの排出量は直近1週間の世界全体のほぼ半分を占めた。
健康被害も深刻だ。インドネシア保健省によると、火災に関連する呼吸器疾患の症例は10月13日時点で7州合計28万3270件に達し、9月9日時点の11万3336件から倍以上に増えた。
大気汚染指数が危険水準に達した地域もあり、インドネシア国内やマレーシアの一部では学校が休校となった。8月11日から10月12日までに、インドネシアでは約2000便の航空便に影響が出た。
インドネシア政府は6万人超の人員と約50機の航空機を投入し、消火活動を進めている。違法な野焼きへの取り締まりも強化しているが、農地開発やパーム油生産に伴う森林伐採、泥炭地の劣化が火災リスクを高めているとの批判は根強い。マレーシアとシンガポールは支援を申し出ているものの、インドネシア政府は外国からの支援を受け入れておらず、対応を巡る外交的な緊張も生じている。
火災の鎮静化には、まとまった雨が継続的に降ることが不可欠である。しかし、エルニーニョの影響で雨季は11月にずれ込む可能性がある。煙害の長期化は市民の健康だけでなく、交通や経済活動、国境を越えた協力にも影響を及ぼしている。
