◎デップ氏の弁護士、アンドリュー・カルデコット氏は、「ハード氏は離婚慰謝料700万ドル(約7.6億円)を全て慈善団体に寄付したと嘘をつきました」と述べた。
報道によると、ジョニー・デップ氏の弁護士は、昨年結審した名誉棄損裁判に関連する新たな訴えを起こしたという。
デップ氏は昨年、元妻アンバー・ハード氏に暴力を振るったと報じたタブロイド紙ザ・サン(The Sun)を名誉棄損で訴え、敗訴した。その後、デップ氏は高等裁判所に上訴したが、アンドリュー・ニコル判事はこの訴えを退けている。ニコル判事はザ・サンの記事を「一部を除き、真実」と判断した。
ザ・サンは記事の中でデップ氏を「妻を殴打する男」と呼び、元妻のハード氏を何度も打ち負かしたと報じたが、デップ氏はこの記事を真っ赤なウソと却下している。
デップ氏の弁護士、アンドリュー・カルデコット氏は3月18日に高等裁判所に提出した書簡の中で、「ハード氏は離婚慰謝料700万ドル(約7.6億円)を全て慈善団体に寄付したと嘘をつきました」と述べ、上訴する許可を求めた。
カルデコット弁護士は書簡の中で、「ハード氏が700万ドルの離婚慰謝料を2つの慈善団体に寄付したという主張は、計算された操作的な嘘でした」と述べた。
「ハード氏は暴力に関する主張の信ぴょう性を高めるために離婚慰謝料を全て寄付したと言いましたが、それは真っ赤なウソです。脅迫的な嘘つきが裁判で真実を語っている可能性は低く、私たちは再審を要求します」
ふたりは2016年に離婚した。カルデコット弁護士によると、ハード氏はロサンゼルスの小児病院に慰謝料を寄付したと述べたが、調査の結果、嘘だったことが分かったという。
また、カルデコット弁護士は、「高等裁判所のニコル判事はハード氏に不利な証拠を不当に却下しました」と主張した。
「私は昨年、デップ氏に暴力を振るったと認めたハード氏の証言(録音データ)を提出しました。しかし、ニコル判事は録音データを重要視しませんでした」
「ハード氏は法廷で嘘をつきました。脅迫的な嘘つきの発言を信用してはいけません」
これに対しザ・サンの弁護士、アダム・ウォランスキー氏は、「ハード氏は時間をかけて慰謝料を全額寄付すると約束しており、嘘はついていません」と反論した。
「ハード氏は誓約に基づき、すでに多くの支払いを済ませています。また、新たな証拠でハード氏がデップ氏を暴行したことが認められたとしても、ハード氏が10回以上暴行を受けた事実に変わりはありません」
裁判所によると、上訴を許可するかどうかは近日中に判断する予定だという。
ニコル判事は、デップ氏が「パイレーツ・オブ・カリビアン」の撮影を行っていた2015年3月に、ハード氏をオーストラリアで3日間軟禁状態に置いたという主張を事実と認めた。
その後、ニコル判事はザ・サンが主張した14件の家庭内暴力のうち12件は事実であると認め、「記事はほぼ真実」と判断した。
裁判中、デップ氏は麻薬の使用を認めたが、暴力の申し立ては全て否定したうえで、「私は女性に暴力を振るったことは一度もない」と反論している。