◎州全体の入院患者数は16,000人以上。また、少なくとも3,000人がICUで集中治療を受けている。(12月18日時点)
◎12月16日の新規陽性者数は53,711件、17日は52,281件、2日連続で5万件を超え、インド、フランス、ロシアなどを軽々と上回った。
2020年12月14日 Getty Imagesにカリフォルニア州ラメサ、シャープグロスモント病院

今週初め、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム州知事は、コロナ患者急増の影響で医療機関が制御不能に陥ると警告し、この先起こり得る最悪の予測モデルを公表した。

予測が現実になれば、次の4週間で州の入院患者は75,000人(現在の5倍)に達し、1日あたりの死亡者数は400人前後を維持し続けることになる。なお、予測は市民が追加の感染予防対策を講じず、かつ、現在の勢いで感染率が上昇し続けることを前提としている。

ニューサム州知事が記者会見を行った12月15日、同州のコロナウイルスの入院患者数は15,000人に到達した。

患者は病院に殺到し、州の大部分で集中治療室(ICU)の占有率が100%に近づいている

ロサンゼルス郡公衆衛生局長のバーバラ・フェラー博士はCNNニュースの取材に対し、「私たちは爆発的かつ非常に致命的な急増に直面している」と語った。

11月初旬、同州の新規陽性者数の1週間平均は約4,000件だった。

1か月後。12月16日の新規陽性者数は53,711件、17日は52,281件、2日連続で5万件を超え、インド、フランス、ロシアなどを軽々と上回った。
FDA、モデルナワクチンの緊急使用を許可

2020年12月14日 Getty Imagesにカリフォルニア州ラメサ、シャープグロスモント病院

累計死亡者数は12月18日に300人以上プラスされ、22,000人を超えた。

ニューサム州知事の予測モデル通りに入院患者が増加すると、累計死亡者数は1月9日時点で43,000人に到達する。

州のウェブサイトに掲載されている様々な予測モデルは、「感謝祭の失敗」や旅行の影響で満床になった病院のベッドをさらに圧迫し、医療システムの崩壊もあり得ると示唆している。

ニューサム州知事は記者会見で、「5,000人分の遺体袋を追加注文し、50台以上の冷蔵トラックを新たな遺体安置所として使用する準備を進めている」と語った。

3月、ニューサム州知事は人口4,000万人のうち約2,500万人がコロナウイルスに感染するペースにあると述べた。それから9カ月後、州独自の封鎖制限は一定の効果を上げつつあったが、感謝祭で事態は急変し、累計感染者は170万人を超えた。

カリフォルニア大学デービス校のブラッドリー・ポロック博士はABCニュースの取材に対し、「最近の予測モデルはより正確になった。モデルの目的は政策の指針となることであり、州知事が今回公表した予測は感染予防対策を怠った場合、現実になり得る」と述べた。

ブラッドリー・ポロック博士:
「現在のカリフォルニアの感染状況は、以前から起こり得ると予測されていた。予測モデルは何が起こるかではなく、何が起こり得るかを伝える

2020年12月17日 AP通信/カリフォルニア州アーバイン、UCIメディカルセンターの外に設置された医療テント

同州の感染状況は11月初旬からじわじわと悪化し、州のほぼ全域がロックダウン(外出禁止令)の対象になった。

ロックダウンにより、ハリウッドの映画館、レストラン、バー、ヘアサロン、その他様々な施設は閉鎖し、生活必需品を販売する小売店やショッピングセンターも厳しい入場制限(20%以下)を課されている。

しかし、ロックダウン以降も症例数の増加に歯止めはかからず、一部の専門家は制限の強化もあり得ると指摘した

12月18日、州全体の入院患者数は16,000人を超えた。また、少なくとも3,000人がICUで集中治療を受けており、ホリデーシーズン中の数日から数週間でさらに多くの患者が入院すると見込まれている。なお、CNNニュースによると、17日時点の同州のICU病床残数は1,300台未満だったという。

サンタクララ郡の16日時点のICU病床残数は15台。302台が使用されており、まもなく満床になると伝えられている。

LAC + USC医療センターの最高医療責任者、ブラッド・スペルバーグ博士は18日の記者会見で州および郡の病院の現状について、次のように述べた。

ブラッド・スペルバーグ博士:
私たちは押しつぶされている

カリフォルニア州の制限(外出禁止令)

対象はICUの占有率が85%を上回った地域。以下の施設はすべて閉鎖

・屋内と屋外の遊び場
・屋内レクリエーション施設
・ヘアサロンと理髪店
・パーソナルケアサービス
・博物館、動物園、水族館
・映画館
・ワイナリー
・バー、醸造所、蒸留所
・ファミリーエンターテインメントセンター
・ギャンブル関連施設
・限定サービス
・ライブオーディエンススポーツ
・遊園地

次の施設は感染予防対策(マスク、社会的距離)を徹底したうえで、営業可能

・屋外レクリエーション施設: 屋外営業のみ許可。食べ物、飲み物、アルコールの販売は禁止。キャンプ場での宿泊も禁止。

・小売、ショッピングセンター: 店舗内での飲食は禁止。容量20%以下を順守。慢性疾患を持つ人、免疫力の低下した高齢者、その他の脆弱な人々のために特別な対策が必要。

・ホテルと宿泊施設: 重要なインフラストラクチャのサポートでのみ営業可能。

・レストラン: テイクアウトまたはピックアップのみ許可。

・事業: テレワークでの作業が不可能な重要なインフラストラクチャセクターは継続。その他の企業はテレワークのみ許可。

・礼拝所: 屋外のみを許可。

・プロスポーツを含むエンターテインメント制作: 観客なしであれば許可。

・学校:対面授業を継続。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク