◎専門家は「ワクチン接種後もマスクの着用と社会的距離の確保を継続すべき」と警告。
◎接種者はコロナウイルスから保護されるが、「ウイルスの拡散を防ぐ効果があるかどうか」はまだ分かっていない。
巷で話題のファイザーワクチンを接種した人は、マスクの着用をやめても大丈夫なのか?
専門家は「ワクチン接種後もマスクの着用と社会的距離の確保を継続すべき」と警告している。
まず、コロナウイルスワクチンの接種は2回受ける必要がある。ファイザー社の2回目は1回目から3週間後、モデルナ社は4週間後に接種する。
接種者は1回目の接種から数週間以内に「ある程度の保護」を得られると期待されている。しかし、高い保護を得るためには2回目の接種から数週間待たないといけない可能性もあり、「接種から保護までの期間」は即時ではないと認識したうえで、少なくともその間はマスクを着用すべきである。
また、ファイザー社とモデルナ社のワクチンが接種者を「コロナウイルスから完全に保護する」のか、それとも「症状から保護する」のかについては、まだ分かっていない。
ワシントン大学のワクチン専門家、デボラ・フラー氏は、「接種者の症状を抑えても、他者に移す可能性があれば、引き続きマスクを着用しなければならないだろう」と述べた。
ワクチンの供給量も不安材料のひとつである。何億ものワクチンを全国各地に行き渡らせ、市民に接種するには、少なくとも数カ月、1年以上かかる可能性もある。
また、子供の接種試験はまだ始まったばかりである。効果と安全性が証明されるまで、子供たちはワクチンを接種できない。
オペレーション・ワープ・スピードのモンセフ・スラウイ博士は、ファイザー社とモデルナ社のワクチンの有効性を考慮すると、来年5月頃には集団免疫を達成できる可能性があると予測した。
ただし、この予測は「十分な数の市民がワクチンを接種する」ことを前提としている。
ファイザー社のワクチンについて
・95%の確率で接種者を保護する。また、65歳以上の患者の保護率も94%を示した。
・2020年に最大5,000万回分、2021年に最大13億回分の投与を目指している。
・2回接種する必要がある。
・輸送時の温度管理(ー75℃前後)が懸案事項だった。
・16歳の以上の人々に十分な安全を保証できる。
・1回の投与で強力な保護を得られると米食品医薬品局(FDA)は判断した。ただし、最高の保護を得るためには2回接種すべきと推奨。
・男女、異なる人種や民族に等しく効果を発揮する。
種類 | 保護率 接種回数 | 試験数 (公表数) | 保存 期間 | 費用 |
ファイザー | 95% 2回 | 43,538人 | -75℃ 5日 | 20ドル |
モデルナ | 94.5% 2回 | 95人 | -20℃ 6カ月 | 33ドル |
オックスフォード | 62-90% 2回 | 24,000人 | 冷蔵庫 ー | 4ドル |
スプトーニクV | 92% 2回 | 20,000人 | 冷蔵庫 ー | 10ドル |
分かっていないこと
・HIV/AIDS患者やコロナウイルスから一度回復した人への効果。
・接種者はコロナウイルスから保護されるが、「ウイルスの拡散を防ぐ効果があるかどうか」はまだ分かっていない。
・接種者はコロナウイルスから完全に保護される?症状から保護される?
・免疫を保持できる期間は?