多くの共和党員がジョー・バイデン新大統領への諜報ブリーフィングを開始するよう訴えている。
トランプ大統領の友人、共和党のリンジー・グラハム上院議員もそのひとり。グラハム議員は国家安全保障に関わる重要な案件を今すぐ引き継ぐべきだと述べている。
しかし、半数以上の共和党員はバイデン氏の勝利を認めておらず、トランプ大統領の背中を押している。
選挙の結果は先週発表され、世界がトランプ大統領の負けを承認した。ただし、集計作業は現在も続いており、最後の1票が承認されるまでバイデン氏の勝利は確定しない。
チームトランプは全国各地で選挙の不正を訴え、結果を覆したいと考えている。
民主党のナンシー・ペロシ下院議長は12日の記者会見でトランプ大統領に対し、「ばかげたサーカスをやめろ」と厳しく非難。現実を受け入れ、感染拡大の続くコロナウイルスへの対応と新救済法案を承認するよう強く促した。
揺れる共和党員
共和党員の10~20人がバイデン氏の勝利を認め、新政権への移行を開始すべきと認めている。
しかし、全体の8~9割は民主党の勝利を認めておらず、不正投票や不正集計などが行われたと主張している。
民主党のクリス・クーンズ上院議員はCNNニュースの取材に対し、「一部の共和党員は、公にバイデン氏を祝福できないと感じているため、代わりに祝いのメッセージを伝えるよう求められた」と述べた。
グラハム上院議員は大統領に与えられる極秘文書を引き継ぐべきだと述べている。
共和党上院のチャック・グラスリー氏、ジョン・コーニン氏、ジョン・スーン氏もこれに同意したが、下院少数党首のケビン・マッカーシー氏は「まだ大統領ではない」と述べ、待つべきと主張した。
政府の一般調達局(GSA)は集計完了までバイデン氏の勝利を公式に認めず、新政権は政権運営に必要な情報へのアクセスを制限される。
しかし、トランプ大統領が負けと新政権への移行を認めれば、作業は明日からでも開始できる。
復員軍人の日、トランプ大統領は演説せず
共和党は抵抗する
民主党のチャック・シューマー上院少数党首は選挙結果を拒否する共和党員について、「トランプだけでなく、上院選挙の結果を考慮している」と述べた。
共和党のボスと議員はトランプ政権だけでなく、上院の支配も確実に維持しなければならないと考えている。
トランプ大統領のやり方に反対すると、2021年1月のジョージア州通常および補欠選挙に悪い影響を与えかねない。
ただし、中長期的な視野で訴訟費用などの問題に対処する必要もあるだろう。
バイデン氏は現時点でトランプ大統領を約520万票上回っており、選挙人団の数も条件を満たした。
一方、トランプ大統領は敗戦確定以来演説を行っていないが、接戦州の集計作業にツイッターで難癖を付け、ツイッター社に指導されている。
一部のメディアは、トランプ大統領が保守的なフォックスニュースに並ぶ「デジタルメディア会社を立ち上げたいと言った」と報じている。
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バイデン氏はスムーズな政権移行を目指す
バイデン氏はオバマ政権時代の元参謀長、ロン・クレイン氏を大統領首席補佐官に任命した。
首席補佐官は大統領のスケジュールなどを管理する門番と呼ばれ、ホワイトハウスの政策に大きな影響を与える。
また、各国の指導者と電話会談を行い、新しい米大統領であることを世界に強くアピールしている。
【バイデン新大統領と電話会談した指導者(抜粋)】
バチカン:フランシスコ教皇
カナダ:ジャスティン・トルドー首相
イギリス:ボリス・ジョンソン首相
ドイツ:アンゲラ・メルケル首相
日本:菅 義偉総理大臣