▽ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
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ギリシャの沿岸警備隊は14日、東部エーゲ海のファルマコニシ島で移民とみられる39人を保護し、女性2人の遺体を収容したと明らかにした。
それによると、付近をパトロールしていた巡視艇が島に人がいることに気づいたという。
それ以上の詳細は明らかになっておらず、人々の国籍も不明。トルコ西岸から渡ったとみられる。しかし、沿岸警備隊によると、島にボートはなかったという。
沿岸警備隊は声明で「人身売買組織が島に人々を置き去りにした可能性がある」と述べた。
ギリシャでは今月初め、トルコ沿岸から出発した2隻の船が沈没し、少なくとも16人が死亡した。
ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
その多くがトルコ沿岸からギリシャの島々へボートで横断を試みる。
ギリシャ当局は中東の紛争が移民の急増をまねていると指摘。昨年拘束した不法移民は6万人を超え、23年比で50%近く増加した。最も多かったのはシリア人であった。
ギリシャ政府はこの海域のパトロールを強化。その結果、多くの人身売買組織がアフリカ北岸からギリシャ南部へ移民を輸送するルートを使うようになった。
国連によると、昨年トルコからギリシャを目指すルートを使った移民は5万4000人超。約8000人がギリシャとトルコの小さな陸路国境を越えた。死者・行方不明者は125人確認されている。
今年1月から3月30日までの間に8000人以上が海路で、755人が陸路でギリシャに到着した。