▽憲法改正案は道徳的、身体的、精神的な発達に対する子供の権利が、平和的に集会する権利を含む、生命に対する権利以外のあらゆる権利を優先すると宣言している。
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ハンガリー議会(一院制、定数199)は14日、政府与党が提唱するLGBTQ+(性的少数者)による公共イベントを禁じる憲法改正案を3分の2以上の賛成多数で可決した。
採決の結果、憲法改正案は賛成140ー反対27で可決された。オルバン(Viktor Orbán)首相の与党フィデス・ハンガリー市民同盟は声明で成立を祝った。
一部の野党議員とデモ隊は採決を阻止するため、国会議事堂の駐車場入り口を封鎖しようとした。
警察は結束バンドを使ったデモ隊を拘束、封鎖を解除した。
憲法改正案は道徳的、身体的、精神的な発達に対する子供の権利が、平和的に集会する権利を含む、生命に対する権利以外のあらゆる権利を優先すると宣言している。
フィデスは先月、反LGBTQ法をあっという間に可決した。
これは18歳未満の未成年者に対する同性愛の「描写や宣伝」を禁止し、争点となっている児童保護法に違反するイベントの開催や参加を犯罪とする。
フィデスはこの法律に基づき、憲法を改正した。
この法律により、毎年数千人が参加する首都ブダペストのプライド・パレードを含む、LGBTQが主催するイベントは開催できなくなった。
こうしたイベントを主催したり、参加した場合、最高20万フォリント(約8万2000円)の罰金が科される。公民権が停止される場合もある。警察は今後、公共の場での開催を許可しないとしている。
オルバン氏はLGBTQを「ガラクタ」と呼び、伝統的な家族と価値観を守ると誓っている。
ブダペストで6月に予定されていたプライドパレードは中止が決まっている。
オルバン氏は独立メディアやNGOに対する海外からの送金も抑制する法案も準備している。
オルバン政権が起草した児童保護法は2021年に成立。テレビ、映画、広告、文学など、未成年者が入手可能なコンテンツにおける同性愛の描写や宣伝を禁止したほか、学校教育プログラムにおけるLGBTQ問題への言及を禁止し、さらに出生時の性別から逸脱した性別(トランスジェンダー)を公に描写することも禁じている。