◎センザンコウは絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)で2016年から保護されている。
インドネシア警察は26日、絶滅危惧種に指定されているセンザンコウの鱗約1.2トンを押収し、4人を逮捕したと明らかにした。
それによると、4人は中国に密輸する目的でセンザンコウの鱗を集めたことを認めたという。取引価格は130万ドルと推定されている。
センザンコウは絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)で2016年から保護されている。
捜査当局は11日、北スマトラ州アサハンで鱗を押収。マレーシアとシンガポールを経由して中国に送られる予定であった。
州警察の報道官は記者会見で、「4人は動物愛護法や希少動物を捕獲した罪などに問われる」と述べた。
有罪が確定した場合、4人は20年以下の禁固刑と罰金刑に処される可能性がある。
警察によると、押収した鱗の量から、4人は少なくとも5900頭のセンザンコウの鱗をはぎ取ったとみられる。
センザンコウの鱗は漢方薬に使われ、サイの角にも含まれるケラチンというたんぱく質が豊富である。またセンザンコウの肉はベトナムや中国の一部で珍味として取り扱われている。
センザンコウの鱗や肉の需要は密猟に拍車をかけ、個体数の減少につながっている。
ワシントン条約により、センザンコウの4種のうち1種が絶滅危惧種に、残り3種は準絶滅危惧種に指定されている。