◎両国は今月初め、係争地の膠着状態を終わらせることを目的とした協定を発表した。
インド政府は10月31日、ヒマラヤのラダック地方における中国との係争地の前線からほとんどの部隊を移動させたと明らかにした。
シン(Rajnath Singh)国防相は声明で、ラダックの境界付近におけるインド軍と中国軍の離脱プロセスをほぼ完了したと述べたが、どの程度後退したかは明らかにしなかった。
両国は今月初め、係争地の膠着状態を終わらせることを目的とした協定を発表。その後、先日ロシア中部カザンで開催された新興5カ国(BRICS)首脳会議の中でモディ(Narendra Modi)首相と習近平(Xi Jinping)国家主席が5年ぶりとなる首脳会談を行った。
実効支配線は西のラダックから東部アルナチャルプラデシュ州まで続いている。中国はこの全域を自国の領土と主張している。両国は1962年、この境界線をめぐって衝突した。
両国は2020年6~7月、ラダック地方ガルワン渓谷で衝突し、インド兵少なくとも20人、中国兵4人が死亡した。両軍はこの時、投石やこん棒で殴り合ったと伝えられている。
その後、両軍は境界線に沿って榴弾砲や戦車を展開し、数万人の兵士を駐留させた。
シン国防相は部隊がどの程度後退したのか明らかにしていない。この協定が国境沿いに配備されている兵士の数を減らすことにつながるのかどうかは定かではない。