◎イランと同盟を結ぶフーシ派は昨年10月にガザ紛争が始まって以来、紅海の船舶に対して100回以上ミサイルやドローン攻撃を行ってきた。
米空軍のステルス戦略爆撃機B2(ロイター通信)

米軍がステルス戦略爆撃機B2でイエメン親イラン武装組織フーシ派の標的を空爆した。オースティン(Lloyd Austin)国防長官が16日、明らかにした。

それによると、米空軍のB2はフーシ派が支配する地域にある5つの地下武器貯蔵施設を「精密爆撃」したという。

オースティン氏は声明で、「フーシ派がこの地域の民間船舶や軍用船を攻撃するために使用する武器を保管する地下施設を標的とした」と明らかにした。

またオースティン氏は「敵対勢力がどんなに地下深くに隠れようと、要塞化しようと、手が届かないようにしようと、我が国はそれを破壊する。今回の空爆はそれが事実あることを示すデモンストレーションである」と述べた。

さらに、「米空軍のB2はいつでも、どこでも、必要なときに、これらの目標に対して行動を起こす米国のグローバルな攻撃能力を示している」とした。

B2の価格は1機約20億ドル(3000億円)。世界で最も高価な航空機であり、核弾頭を最大16発搭載できる。米軍が現在運用するB2は20機とされる。

オースティン氏はフーシ派が紅海の国際貿易を混乱させ続けていると非難。「フーシ派の能力を低下させ、世界で最も重要な航路、船舶、要員を守り抜くために攻撃を命じた」と述べた。

中央軍(CENTCOM)は別の声明で、「被害を評価中であり、民間人の犠牲は出ていない」と明らかにした。

イランと同盟を結ぶフーシ派は昨年10月にガザ紛争が始まって以来、紅海の船舶に対して100回以上ミサイルやドローン攻撃を行ってきた。

フーシ派はイスラエル軍の侵攻に直面するパレスチナ人への支援と連帯を示すためと主張しているが、戦争とは明らかに関係のない船舶も攻撃している。

国連のイエメン特使は15日、同国が中東全域を巻き込む戦争に引きずり込まれる可能性があると警告していた。

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