◎国会は先週、物議を醸す外国エージェント法案を賛成多数で可決した。
ジョージアの国会議長は20日、ズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領がメディアやNGOを標的とする外国エージェント法案の署名を拒否したことについて、「来週の採決で拒否権を覆す」と表明した。
国会は先週、物議を醸す同法案を賛成多数で可決。これは外国から資金の20%以上を得ているメディアやNGOを「影響力のある団体・組織」に指定し、必要書類の提出を求めるものである。
政府与党は先月、昨年断念したこの法案の内容の一部とタイトルを見直して国会に再提出。内容は昨年のものとほぼ同じであった。
首都トビリシではこれに抗議するデモが続いており、一部の暴徒と機動隊が衝突。逮捕者が出る事態となった。
野党はこれを「ロシア法」と呼び、政府に批判的なメディア、ジャーナリスト、NGOなどが取り締まりの対象になる恐れがあると警告。ロシアは同様の法律で反体制派を弾圧している。
与党・ジョージアの夢はこの法律が外国勢力の影響力を抑え、不特定多数の富裕層や外国人による謀略や同国の不安定化を防ぐことができると反論している。
親欧米派のズラビシュヴィリ氏は18日に拒否権を発動したが、国会は過半数の賛成でこれを覆すことができる。
国会議長は記者団に対し、「国会は来週の採決でこれを覆す」と語った。
地元メディアによると、トビリシ以外の都市でも100人規模の抗議デモが続いているという。放火や略奪が発生したという情報もある。
ジョージアとロシアの関係は2008年の南オセチア紛争で崩壊。ロシアはこの紛争で南オセチアとアブハジアの分離主義勢力を支援し、ジョージアを3分割した。
それ以来、ロシア軍の支援を受ける分離主義者がこの両地域を実効支配している。
両地域はジョージアからの独立を一方的に宣言。ロシアはこれを承認したが、国連は認めていない。
政府はロシア寄りの姿勢を示しながらも、EUとNATOへの加盟を目指すと主張している。