◎陸軍のエリート将校などで構成される一団は先月末、西側の選挙監視団から批判を浴びた大統領選で3選を果たしたオンディンバ大統領を拘束した。
アフリカ中部ガボン、オンディンバ大統領(Getty Images)

軍事クーデターで失脚したアフリカ中部ガボンのオンディンバ(Ali Bongo Ondimba)大統領が自宅軟禁から解放された。軍政が6日、明らかにした。

それによると、軍政の高官は6日夕方に放送された国営テレビの演説で、「オンディンバ氏の健康状態を考慮し、自宅軟禁から解放。自由に移動可能となり、海外に渡航し、治療を受けることもできる」と述べたという。

オンディンバ氏の容体は明らかになっていない。

国営テレビが5日に報じたソーシャルメディアの映像には、国連中央アフリカ事務所の高官と面会する際、足を引きずるオンディンバ氏の姿が映っていた。

陸軍のエリート将校などで構成される一団は先月末、西側の選挙監視団から批判を浴びた大統領選で3選を果たしたオンディンバ氏を拘束した。

将校らはこの大統領選を「不正選挙」と呼び、その結果を取り消し、国境を閉鎖したうえで、全ての国家機関を解体すると宣言。オンディンバ氏を首都リーブルビルの邸宅に軟禁すると発表した。

オンディンバ氏は1967年から同国を統治してきた父親の死去を受け、2009年に大統領に就任。一族の支配は半世紀以上にわたって続いた。

西側の選挙オブザーバーは今回の大統領選について、「公正なものではなく、不正が散見される」と批判していた。

軍事クーデターを主導し、暫定大統領に就任したヌゲマ(Brice Oligui Nguema)将軍は今週初め、地方政府関係者などと会談し、公正な選挙で大統領を選出したうえで、平和的に民政に移行すると約束した。

ガボンのクーデターは2020年以降、西・中央アフリカで起きた8件目のクーデターとなった。この1カ月前にはニジェールでクーデターが発生したばかりである。

ガボンは中央アフリカの西岸に位置し、赤道ギニア、カメルーン、コンゴ共和国と国境を接している。石油輸出国機構(OPEC)加盟国で、原油生産量は日量18万1000バレル。

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