◎レバノンでは50万人近いパレスチナ難民が登録されているが、その多くは移住しており、実際の数は20万人程度と考えられている。
2023年7月30日/レバノン、南部シドンのパレスチナ難民キャンプ(Mohammad Zaatari/AP通信)

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は30日、先月末の戦闘で深刻な被害を受けたレバノン南部シドンのパレスチナ難民キャンプに支援を提供するよう国際社会に呼びかけた。

イスラム主義グループとみられる正体不明の武装テロリストは先月末、パレスチナの前与党ファタハの幹部とされる人物を殺害しようとし、銃撃戦に発展。戦闘の末、ファタハの幹部と護衛3人が死亡した。

ファタハを支持する組織は幹部殺害に関与した武装テロリストの身柄をレバノン当局に引き渡すよう求めている。戦闘は8月3日に収まったものの、いつ再燃してもおかしくない状況だ。

UNRWAによると、一連の戦闘で難民キャンプ内の学校が被害を受け、子供たちに代替の授業場所を提供したり、家を追われた人々を支援するためには1550万ドルが必要だという。

UNRWAが要求している資金の大部分、約1100万ドルは家を追われた家族への現金支給(1200ドル)に充てられる予定。165万ドルは約6000人の生徒を収容する仮教室の設置費。学校の再建費用は含まれない。

レバノンでは50万人近いパレスチナ難民が登録されているが、その多くは移住しており、実際の数は20万人程度と考えられている。

レバノンのパレスチナ人は就労や資産を保有する権利が制限されており、大多数が貧困の中で暮らしている。

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