◎昨年の大統領選でルト大統領に敗れたオディンガ氏を支持するデモ隊は先月成立した増税法案とインフレに抗議している。
ケニアのルト(William Ruto)大統領は14日、首都ナイロビなどで増税に反対するデモが暴動に発展したことを受け、来週予定されている野党の集会を許可しないと明らかにした。
地元メディアによると、今週の暴動で逮捕された抗議者は300人を超えたという。
昨年の大統領選でルト氏に敗れたオディンガ(Rila Odinga)氏を支持するデモ隊は先月成立した増税法案とインフレに抗議している。
オディンガ氏は有権者に対し、来週も3日間抗議デモを行い、ルト氏に退陣を迫るよう呼びかけている。
ルト氏は地方遊説の中で、「暴動と無政府状態を受け入れることはできない」と述べ、暴徒による略奪や暴力を糾弾した。
またルト氏は来週予定されている野党のデモを禁じると明らかにした。「警察は19日から予定されている野党主催の略奪・暴動を許可しません...」
ルト氏は昨年の大統領選で低中所得者層のための政治を行うと公約に掲げたが、多くの専門家がこれを「嘘っぱち」と非難し、トウモロコシや小麦粉などの日用品を買うのに苦労している多くの国民が増税で苦しめられていると指摘している。
「昨年の大統領選は盗まれた」と主張するオデンィガ氏はルト政権の政策が経済危機に拍車をかけていると主張し、支持者に抗議するよう呼びかけている。
ルト氏は演説の中で、「選挙は昨年8月に終わったとオディンガ氏に言いたい。死、流血、破壊で国の指導者を選ぶことも変えることもできない」と語った。
国家警察はデモ隊に催涙ガス弾や放水砲を撃ち込んだと批判されているが、政府は略奪や暴動を徹底的に取り締まると宣言している。
ナイロビのシンクタンクによると、抗議デモの経済損失は1日あたり30億ケニアシリング(約29億円)にのぼるという。