◎クルド人はシリア北部に拠点を置き、ISIS掃討作戦で主要な役割を担っている。
クルド人主導の民兵組織シリア民主軍(SDF)は25日、シリア北東部に拠点を置くイスラム国(ISIS)の残党に対する作戦を開始し、数十人を逮捕したと発表した。
SDFによると、この作戦は北東部地域で先月発生したテロ攻撃に対応するものだという。
SDFはかつてISISに支配されていた都市ラッカと周辺地域にある数十カ所の隠れ家を急襲し、数十人を逮捕したと報告している。
米軍主導の連合軍はこの作戦をドローンで支援した。
ISISの戦闘員とみられる男たちは昨年末、ラッカのクルド人部隊を襲撃し、6人を殺害した。SDFが今回逮捕した容疑者の中にこの事件に関与した者が含まれるかどうかは不明だ。
SDFは米国主導の連合軍と対ISIS共同パトロールを定期的に行っている。
このパトロールは昨年末、トルコのイスタンブールで11月に発生した爆破テロの報復としてシリアのクルド人自治区がトルコ軍の空爆を受けた際、一時停止を余儀なくされた。
トルコ政府は爆破テロにクルド人組織が関与したと主張している。
SDFは声明の中で、「ISIS幹部はシリア内の戦闘員に同胞が収容されている刑務所や難民キャンプを襲撃するよう指示した」と述べている。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が先月公表したレポートによると、シリア北東部の刑務所と難民キャンプにはISISの戦闘員4万2400人以上と、ISISとの関係を疑われるシリア人約2万3200人およびその家族が収容されているという。
欧米諸国は難民キャンプに収容されている自国民を少しずつ本国に送還している。フランス政府は今週、女性15人と未成年者32人を帰国させた。