◎クルド人武装勢力を支持する団体が侮辱ポスターを作成したとみられる。
トルコ政府は21日、エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領を侮辱するポスターが在スウェーデン・トルコ大使館に張り付けられたことを受け、スウェーデン大使を召還し、説明を求めた。
国営アナトリア通信によると、クルド人武装勢力を支持する団体が侮辱ポスターを作成したとみられる。
アナトリア通信は政府筋の話を引用し、「外務省はスウェーデン大使を呼び出し、厳重に抗議した」と報じている。それによると、外務省高官は大使に事件を調査し、トルコの安全保障を脅かす「テロ組織」に対し、行動を起こすよう求めたという。
スウェーデンとフィンランドは5月、ロシアのウクライナ侵攻を受け、NATOに加盟を申請した。NATO加盟には現加盟30カ国の承認が必要であり、トルコが最大の障害と考えられている。
トルコ議会は両国の加盟をまだ承認していない。
エルドアン政権は反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」の支持者や、2016年のクーデター未遂事件に関与したと疑われる人物など、テロ組織とつながりのある者を取り締まるよう2カ国に圧力をかけている。
スウェーデンのクリステルソン(Ulf Kristersson)首相は今月初めにトルコを訪問し、エルドアン氏と会談。トルコ政府のテロ対策を支持すると約束した。
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。