◎生存者たちは「少なくとも68人が乗船していた」と証言したという。
2022年11月1日/ギリシャ沖で保護された亡命希望者たち(Greek Coast Guard)

ギリシャの沿岸警備隊は1日、首都アテネの沖合で亡命希望者とみられる人々を乗せたボートが沈没したと報告した。

警察当局によると、沿岸警備隊はボートに乗っていた男性10人を救助し、アテネの東側に位置するエビア島に搬送したという。

この10人のうち9人はエビア島の南にある無人島に10月31日に流れ着き、数時間後に救助された。残り1人は1日午後に別の場所で民間の船舶に救助された。10人の国籍と身元は明らかにされていない。

警察によると、生存者たちは「少なくとも68人が乗船していた」と証言したという。

また生存者たちはトルコ沿岸のイズミルを出港したと説明した。

地元メディアによると、救出作戦は1日早朝に始まった。ボートが沈没した海域は風が弱くても波が高いことで知られている。

沿岸警備隊は荒波の中、9人が流れ着いた無人島にボートを送り、救助した。

沿岸警備隊が公開した写真には、無人島の崖の下の岩場に立つ人々の姿が映っていた。

報道によると、沿岸警備隊は1日未明にボートが転覆したかもしれないという民間船舶の通報を受け、現場を確認したという。通報者は明らかにされていない。

沿岸警備隊は巡視船と航空機を現地に派遣し、捜索・救助活動を行っている。

10月31日には同じくギリシャ沖で移民ボートがひっくり返り、7人が行方不明になっている。このボートはエーゲ海のサモス島沖で転覆した。

当局によると、このボートに乗っていた2人が近くを航行していた漁船に、さらに別の2人が欧州国境沿岸警備機関(Frontex)の巡視船に救助されたという。

一方、ギリシャ政府によると、この捜索活動に参加していた民間船舶がギリシャ領海内で遺体を発見したという。それ以上の詳細は明らかにされていない。

アフリカ、アジア、中東の紛争や貧困から逃れた数万人が、毎年ギリシャを通じて西欧への亡命を試みている。

その大半がトルコの沿岸からギリシャを目指す危険な地中海横断ルートを選択する。その一部はギリシャを迂回してイタリアのシチリア島やランペドゥーザ島を目指す。

2022年8月11日/イタリア領ランペドゥーサ島の沖合、岸を目指す亡命希望者たち(Getty Images/AFP通信)
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