◎東部の北キブ州で国軍と反政府勢力「3月23日運動(M23)」の戦闘が再燃した。
コンゴ民主共和国東部の当局者は29日、北キブ州で国軍と反政府勢力「3月23日運動(M23)」の戦闘が再燃したと明らかにした。
AP通信は地元当局者の話を引用し、「M23は少なくとも2つの町を占領し、支配エリアを拡大している」と報じた。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。昨年11月頃から活動を活発化させ、現在はコンゴ東部に拠点を置いているとみられる。
AP通信によると、コンゴ軍とM23の戦闘は29日の午前中に報告され、2つの町の住民数万人が避難を余儀なくされたという。
この地域の市民グループの会長はAPに、「州都ゴマ(北キブ州)から70kmほど離れた2つ町が占領された」と説明した。
会長によると、コンゴ軍はM23への反撃を続けているという。
コンゴ政府はまだ声明を出していない。
APの取材に応じた避難者は、「武装したM23の戦闘員が攻め込んでくるところを見た」と語った。
M23は昨年11月に攻撃を開始するまで、10年近く公の場で活動していなかった。当局によると、M23はこの地域に対する攻撃を先週再開し、これまでに市民20万人近くが避難を余儀なくされたという。
コンゴ政府は隣国ルワンダがM23を支援していると非難しているが、ルワンダ政府はこの主張を否定している。
ルワンダのフツ族は1994年のジェノサイドでツチ族の住民数十万人を虐殺したと告発されている。フツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
ゴマに拠点を置く国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)は29日、「M23の敵対行為と民間人への攻撃を強く非難する」とツイートした。
MONUSCOはM23に対するコンゴ軍の作戦を支援するために展開している部隊の警戒レベルを引き上げ、航空支援、情報、装備を提供していると報告した。