◎白リン弾は着弾後に白い尾を引くことで知られ、国際条約で民間人への使用を禁じられているが、軍事目標への使用は認められている。
ロシア領内で2018年に行われた軍事演習、ミサイルを発射する戦闘機(Maxim Shemetov/ロイター通信)

ウクライナ軍は1日、ロシア軍が黒海の岩礁地帯にあるズミイヌイ島(スネーク島)に白リン弾を撃ち込んだと報告した。

ウクライナ軍はテレグラムの投稿で、「ロシア軍のスホイ30戦闘機が1日午後6時頃に2回、白リン弾を撃ち込んだ」と報告した。ロシア軍はクリミア半島からズミイヌイ島を狙ったという。

ロシア軍は前日、ウクライナ産穀物を輸出する取り組みの一環として島から撤退すると発表していた。ウクライナ政府はこの主張を否定し、「ロシア軍はウクライナ軍の攻撃を受け、撤退を余儀なくされた」と主張している。

ウクライナ軍は白リン弾の使用を非難し、「ロシアは自分の宣言さえ尊重できない」と一蹴した。

ウクライナ軍の戦況を伝えているポノマレンコ(Illia Ponomarenk)氏がツイートした動画には、ズミイヌイ島に少なくとも2回ミサイルが着弾し、白い筋のようなものが上がる様子が映っていた。

白リン弾は着弾後に白い尾を引くことで知られ、国際条約で民間人への使用を禁じられているが、軍事目標への使用は認められている。

ポノマレンコ氏は、「ロシア軍は島に残したロシア製兵器を奪われないよう破壊した可能性がある」という見方を示している。

ウクライナ政府はロシア軍が民間人に対して白リン弾を複数回使用したと指摘しているが、ロシアはこれを否定している。

ウクライナ公共放送は政府筋の話を引用し、「ロシア軍はズミイヌイ島から大急ぎで撤退したため、一部兵器を回収できなかったとみられる」と伝えている。

ズミイヌイ島はウクライナ南部沿岸に位置し、開戦前からウクライナ国境の前哨基地として制限区域に指定されていた。

2022年7月1日/ウクライナ、南部オデーサ州、ロシア軍のミサイル攻撃を受けた建物と住民(Nina Lyashonok/AP通信)
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